KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百九拾・・・茶

小林 「俺んとこのように、
 こぶ茶というわけやないで」
北小岩 「存じております。
 何でも、千利休さんの末裔と
 うかがっております」

師弟のもとへ、何の間違いか
人間国宝級の男から茶会招待状が届いたのだ。

何を着用すればよいのかわからなかったので、
町内のご隠居から借りた紋付袴で出席。

お茶の師匠 「どうぞ」
小林 「何やこれは。
 家で飲むお茶と
 代わり映えしないやないか」
北小岩 「しかし、
 茶柱が立っておりますね。
 むむっ!」

弟子の目ん玉が3センチほど飛び出し、
お茶につきそうになった。

北小岩 「いえ、
 わたくしの勘違いかもしれません」
小林 「なんや、
 はっきり言ってみい」
北小岩 「お茶師匠様、
 大変申し訳ございませんが、
 虫めがねをお借りすることは
 できますか」

氏は柔和な顔でうなずいた。
手渡された北小岩くんは。

北小岩 「やはりそうでございました」
小林 「なんや、
 金髪の陰毛でも泳いどるんかい。
 むっ?
 むひょ〜、
 ぎょぎょんのぎょ!」
お茶師匠 「やっと気づかれましたね」
小林 「まさか・・・。
 茶柱とばかり
 思っとったが・・・」
お茶師匠 「そうです。
 あなた方のお茶の中には、
 茶柱ぐらいちっちゃな人がおります。
 その人が、茶柱の衣装を着て、
 立ち泳ぎしているのです。
 ふ〜」


息を吹きかけると、
茶柱ぐらいちっちゃな人の顔に
お茶がかかり。

茶柱ぐらい
ちっちゃな
「あちょちょ〜っ!」

物凄い勢いで、クロールで泳ぎだした。

小林 「助けてやらんかい」
北小岩 「はい」

弟子はお茶に舌をいれ、
ちっちゃな人が上陸できるようにした。

北小岩 「あははは。
 うっ、ぐ」

弟子はくすぐったさのあまり
舌を引っ込めたのだが、
ちっちゃな人を飲んでしまいそうになり、
すんでのところで吐き出した。
ちっちゃな人は一目散に逃げていった。

お茶師匠 「これからが本番です」

茶をたてると二人に渡し、
なみなみと熱湯を注いだ。

北小岩 「表面張力になっております。
 このままでは
 三回まわすことができません」
お茶師匠 「こちらで回すから、
 そのまま持っていなさい」

指ぱっちんをすると巨漢の男らが現れ、
直立して茶を持っている二人の前に立った。

巨漢の
男ら
「ではまいります」
小林&
北小岩
「うげ〜」

巨漢の男らは師弟の急所を力まかせに握り、
三回まわしたので。

小林&
北小岩
「ちんもげら〜」
お茶師匠 「こぼしたらおしおきです」
小林&
北小岩
「限界です〜」
お茶師匠 「仕方ない」

茶釜から煮立ったお湯をしゃくると、
袴の中からダイレクトに急所にかけた。
その上イチモツにお灸をすえ。

小林&
北小岩
「あじ〜っ!!!!!!!!」


その場で卒倒してしまった二人。

後から調べると、
お茶師匠は『千利休』の末裔などではなく、
『チンのお灸』と呼ばれる
インチキ茶人であることがわかったが、
後の祭りであった。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2010-04-25-SUN

BACK
戻る