小林 |
「俺んとこのように、
こぶ茶というわけやないで」 |
北小岩 |
「存じております。
何でも、千利休さんの末裔と
うかがっております」 |
師弟のもとへ、何の間違いか
人間国宝級の男から茶会招待状が届いたのだ。
何を着用すればよいのかわからなかったので、
町内のご隠居から借りた紋付袴で出席。
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お茶の師匠 |
「どうぞ」 |
小林 |
「何やこれは。
家で飲むお茶と
代わり映えしないやないか」 |
北小岩 |
「しかし、
茶柱が立っておりますね。
むむっ!」 |
弟子の目ん玉が3センチほど飛び出し、
お茶につきそうになった。
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北小岩 |
「いえ、
わたくしの勘違いかもしれません」 |
小林 |
「なんや、
はっきり言ってみい」 |
北小岩 |
「お茶師匠様、
大変申し訳ございませんが、
虫めがねをお借りすることは
できますか」 |
氏は柔和な顔でうなずいた。
手渡された北小岩くんは。
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北小岩 |
「やはりそうでございました」 |
小林 |
「なんや、
金髪の陰毛でも泳いどるんかい。
むっ?
むひょ〜、
ぎょぎょんのぎょ!」 |
お茶師匠 |
「やっと気づかれましたね」 |
小林 |
「まさか・・・。
茶柱とばかり
思っとったが・・・」 |
お茶師匠 |
「そうです。
あなた方のお茶の中には、
茶柱ぐらいちっちゃな人がおります。
その人が、茶柱の衣装を着て、
立ち泳ぎしているのです。
ふ〜」
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息を吹きかけると、
茶柱ぐらいちっちゃな人の顔に
お茶がかかり。
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茶柱ぐらい
ちっちゃな
人 |
「あちょちょ〜っ!」 |
物凄い勢いで、クロールで泳ぎだした。
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小林 |
「助けてやらんかい」 |
北小岩 |
「はい」 |
弟子はお茶に舌をいれ、
ちっちゃな人が上陸できるようにした。
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北小岩 |
「あははは。
うっ、ぐ」 |
弟子はくすぐったさのあまり
舌を引っ込めたのだが、
ちっちゃな人を飲んでしまいそうになり、
すんでのところで吐き出した。
ちっちゃな人は一目散に逃げていった。
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お茶師匠 |
「これからが本番です」 |
茶をたてると二人に渡し、
なみなみと熱湯を注いだ。
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北小岩 |
「表面張力になっております。
このままでは
三回まわすことができません」 |
お茶師匠 |
「こちらで回すから、
そのまま持っていなさい」 |
指ぱっちんをすると巨漢の男らが現れ、
直立して茶を持っている二人の前に立った。
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巨漢の
男ら |
「ではまいります」 |
小林&
北小岩 |
「うげ〜」 |
巨漢の男らは師弟の急所を力まかせに握り、
三回まわしたので。
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小林&
北小岩 |
「ちんもげら〜」 |
お茶師匠 |
「こぼしたらおしおきです」 |
小林&
北小岩 |
「限界です〜」 |
お茶師匠 |
「仕方ない」 |
茶釜から煮立ったお湯をしゃくると、
袴の中からダイレクトに急所にかけた。
その上イチモツにお灸をすえ。
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小林&
北小岩 |
「あじ〜っ!!!!!!!!」
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その場で卒倒してしまった二人。
後から調べると、
お茶師匠は『千利休』の末裔などではなく、
『チンのお灸』と呼ばれる
インチキ茶人であることがわかったが、
後の祭りであった。
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