ぴんぴかりんこ〜
「後ろ向きなお天気が続いておりましたが、
今日はお空も趣をかえましたね」
前かがみになり、
股の間からお天道様を眺めているのは、
弟子の北小岩くんであった。
「ふえっきゅしょ〜〜〜ん」
彼は陽の光を目にすると、
くしゃみがこみ上げてきてしまう。
しかし、股の間から顔を出して
くしゃみをすることは、
突然変異の変態に見られてしまう恐れがある。
「ふう〜。
あちらの方に、水たまりさんが見えます」
ボウフラのような動きで近づくと。
「むっ!」
耳元で何かを囁かれた気がした。
「わたくし、精力はございませんが、
聴力には長けております。
確かに、水たまりさんが
悲しそうな声を出しておりました」
一分ほど目をつむり、
全神経を耳に集中させた。
「わかりました」
何がわかったのかまったくわからないが、
とにかくわかったらしい。
家に戻り、台所に急行すると。
「待っていてくださいね。
今、まいりますからね」
皿洗いに使っているボウルに水を満たすと。
「レッツゴーわたくし!」
誰も聞いていない能天気な掛け声を発し、
先ほどの水たまりのもとへ。
じゃぶりこじゃぶりこ
「これで大丈夫でございますね」
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水たまり |
「ありがとう」 |
水たまりの声は、
多分北小岩くんにしか
聞き取れないであろう。
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水たまり |
「もう少しで干上がるとこでした。
梅雨の中休みには、
異常に日差しが
強くなる時があるので、
油断できません。
お礼に私が動きましょう。
ついて来てください」 |
北小岩 |
「なんと!」 |
水たまりが自力で移動し始めた。
もといた場所には、水はなくなっている。
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水たまり |
「あのミニスカートのお姉さんがいいね」 |
ただでさえパンティが見えそうな
女性の足下に移った。
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ただでさえ
パンティが
見えそうな
女性 |
「キャーッ、何これ?」
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北小岩くん
の心の声 |
「水たまりの表面が、
鏡のような光沢を
醸し出しております。
私、パンのティを
しかと目に焼き付けました。
あやとりにでも使えそうな、
ピンクの紐パンを
はいてらっしゃいました。
それにしても、このようなことが
起こりうるのでございますね」 |
水たまり |
「水たまりにはね、
フツーの水たまりと、
サービス水たまりというものが
あるんですよ。
僕はサービス水たまり。
やさしい心を持った男性に、
サービスをするのです。
おっ、獲物です」 |
水たまりは、
エロモン(エロフェロモンの略)全開で
歩いている女性の前に全速力で駆けつけると、
急ブレーキをかけた。
びちょちょん
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エロモン
全開で
歩いている
女性 |
「キャッ!水が股に!」 |
驚きのあまり、
自分でスカートをめくってしまった。
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北小岩くん
の心の声 |
「むむむむむっ!
ノーパンでございます!!
この世はまだまだ
捨てたもんじゃございません!!」
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弟子は理性を持ち合わせているので、
どこかの馬鹿先生のように、
いやらしいものに接しても
大声を出さないですませられる。
接して漏らさず。
それにしても水たまりって、
やってくれるもんですね。
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