北小岩 |
「何か朗報はございませんでしょうか」 |
取り立てて不幸ではない。
かといって幸せかといえば、
まったくそうとは言えない弟子が、
町はずれを歩いている。
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北小岩 |
「郵便局に貼り紙がございます」 |
舐めるように字を追い。
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北小岩 |
「忘れておりました!」 |
先祖が飛脚であったかの如く、韋駄天でぼろ家へ。
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北小岩 |
「先生、大変でございます!」 |
小林 |
「何や!
スケルトンのスカートと
パンティを履いているおなごに
遭遇したんか。
それならお前の人生、当たりや」 |
北小岩 |
「当たりは当たりでも、
お年玉付き年賀葉書の
当たりでございます」 |
小林 |
「うっかりしとった。
もうすぐ交換期間が終わるんやな。
当選番号は控えてきたか」 |
北小岩 |
「筆記具を
持ち合わせておりませんでしたが、
ここに」 |
小林 |
「むっ、おぬし・・・」 |
己の陰毛を、
一の位〜十万の位まで数字がわかるように、
指の間に挟んでいるのだ。
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小林 |
「いつの間にか、
できる男になっていたな」
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北小岩くんは、満更でもない表情でうなずいた。
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北小岩 |
「ところで先生、年賀状は?」 |
小林 |
「うむ。
今年は一枚も来なかったわ」 |
北小岩 |
「そうでございましたか・・・。
わたくし、
696969枚届いたという
先生のお話を、
鵜呑みにしておりました」 |
小林 |
「嘆くな、弟子よ。
今の時期まで
当選を確認していない奴は、
見るのが面倒くさくて
ムダにしてしまうもんや。
当たっているか見てあげると言って、
もらってしまえばよいわ」 |
北小岩 |
「なるほど!
町内をひと回りして、
できるだけ多くの年賀状を
借りてまいります!」 |
陰毛を指に挟んだまま、家を飛び出した。
町内の人々から愛されている弟子は。
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北小岩 |
「只今戻りました。
みなさまの好意で、
6969枚ほど集まりました。
しかし、
毛を落としてしまいました」 |
小林 |
「番号は局に行って聞けばよいわ」 |
二人は葉書を
ブリーフでつくった駕籠に乗せて走った。
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小林 |
「たのもう!」 |
ドサッ
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局員 |
「番号のチェックですね。
お待ちください」 |
一枚一枚丹念に照合していく。
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局員 |
「当たってますね。
まずは3等の
使用済みパンティの缶詰」 |
小林 |
「これはお前にやるわ」 |
奇妙な形の缶詰を弟子に渡す。
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局員 |
「2等の郵便局特製うれしいエロ本」 |
小林 |
「ようわからんが、
並のブツやないな。
俺がもらうわ」 |
チンチンリーン! チンチンリーン!
「おめでとうございます!
おとし玉が二つ当たってま〜す」
奥からほとんど全裸にしか見えない女性が
二人出現した。
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小林 |
「やったな!
これから快感カーニバルの
始まりや!!」 |
師弟はなぜか、
X(エックス)の形をした大型拘束器具に
くくりつけられた。
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ほとんど
全裸にしか
見えない
女性A |
「それでは、
お若い方から
おとし玉いきま〜す!」 |
北小岩くんのパンツを脱がせると、
それぞれの金玉に
重さ10キロの砲丸をとりつけた。
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北小岩 |
「玉が落ちてしまいます〜〜〜!」 |
玉袋が75センチほど伸びて、
ブツが床についてしまった。 |
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次は。
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ほとんど
全裸にしか
見えない
女性B |
「では、お寝んねで〜す!」 |
先生は拘束されたまま地面と平行にされ、
女性が玉の上あたりで
複数の砲丸をジャグリングし始めた。
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ほとんど
全裸にしか
見えない
女性B |
「私、初心者だし〜、
力もないので〜、
うまくできませ〜ん!」 |
砲丸が次々と先生の玉に「落とし玉」された。
師は即失神。
そのままの状態で
局の外にあるゴミ捨て場に放置された。
なぜ二人がこのような仕打ちを受けたのかは
永遠の謎だが、世の中的に見れば
とってもよいことなのだろう。
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