北小岩 |
「ふう。
窓から熱気が襲ってまいります」 |
冷凍マグロのように横になっている
弟子の北小岩くんだが、
体は冷凍ではなく、
解凍されきってぐちょぐちょだ。
|
北小岩 |
「おまけに睡魔に襲われてまいりました」 |
朦朧とする意識の中で、服を脱ぎ捨て始め。
|
北小岩 |
「むにゃむにゃむにゃ」 |
ライオンに襲われたら、
真っ先にイチモツを
食いちぎられるであろう体勢で、
深い眠りに落ちようとしている刹那。
「そんなことでいいのでしょうか」
|
北小岩 |
「はっ!」 |
突然の闖入者により現実の世界へ。
「何ですっぽんぽんで寝てるんだよ」
|
北小岩 |
「これはこれは、股下さん」 |
股下掻男(またしたかきお)氏は、
竹馬の友であった。
|
股下掻男 |
「君のおばあさんも僕のおばあさんも、
全裸で寝るのを
固く禁じていたはずだよ」 |
北小岩 |
「そうでございました」 |
褌をしめながら答える。
|
股下掻男 |
「お互いによく脅されていたよな」 |
北小岩 |
「そうですね。
うちのおばあさんは、
裸で寝ると空気屋さんがやって来て、
金玉に空気を入れて
パンパンにしてしまい、
運が悪いと破裂。
それでもいいじゃか!
と言っておりました」
|
股下掻男 |
「僕のおばあさんは、
お尻の穴にアリ地獄が入ってしまい、
アリが入れなくなるぞ。
アリが入れば
お尻の穴がこそばゆくて
ちょうどいいのに。
それでもいいじゃか!
と言ってたな」 |
北小岩 |
「インドから蛇使いがやって来て、
屹立した如意棒と
キングコブラを格闘させられる。
それでもいいじゃか!
とも聞かせられました」 |
股下掻男 |
「ぬかみそおばさんがやって来て、
イチモツをぬかみそにして
帰っていく。
それでもいいじゃか!
ってのもあったな」 |
北小岩 |
「みょ〜な芸術家がやって来て、
じんじろ毛を剃られ、
ダリの髭を植えられてしまう。
それでもいいじゃか!
と諭されたこともございました」 |
股下掻男 |
「僕は、
ポンプさんという人がやって来て、
お尻の穴に
おなら逆戻りポンプをつけられ、
好きな女の子と話している時に
口からおならが出てしまう。
それでもいいじゃか!
と説教されたな」 |
北小岩 |
「わたくしは、
ろくろ名人がやって来て、
ぽこちんを回され、
形を変えられてしまう。
それでも後悔しないじゃか!
とも」 |
股下掻男 |
「僕は、ビッグサイズ専用の
めがね職人がやって来て、
おしりの山に
それぞれ目を取り付けられ、
大きなめがねをかけられてしまう。
それでも後悔しないじゃか!
だったな」 |
北小岩 |
「わたくしの場合、
股間に蚊帳をとりつけられ、
その中に大量の蚊を入れられる。
それに耐えられるじゃか、と」
|
股下掻男 |
「ふんころがしが二匹来て、
金玉を転がし、いずれ
持っていかれてしまうと・・・」 |
その後も延々と、
おばあさんに投げつけられた脅し文句の数々を、
数時間言い合った。
いったい二人のおばあさんて・・・。
ともかく、
これから本格的な夏を迎えますが、
どんなに暑くても、
全裸で寝ることだけは避けた方がよさそうですね。
|