リンリンリリリリン ニュウリンリン
「コオロギさんの声が聴こえます」
リンリンリリリン チンリンリン
「メスコオロギさんに、
愛の告白をしているのでございますね」
ススキノ〜 ススキノ〜
「あっ、いつの間にか一本だけ、
ススキさんが生えていらっしゃいます」
ススキノ〜 アワアワ〜
ススキノ〜 アワアワ〜
「不思議でございます。
意表をついたところに一本。
そういえば、乳輪のあたりに
一本だけみょ〜に長くなる毛が
生えることがございます。
ここは自然界の乳輪なのかもしれません」
どうでもよいことに感心しているのは、
弟子の北小岩くんであった。
「なんやさっきから。
ススキノだとか乳輪だとか。
お前、どっくんと溜まっとるんやないか」
どうでもよいことをのたまっているのは、
アナルな男こと小林先生であった。
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北小岩 |
「さすがに秋だなあと、
心をそよがせていたのでございます。
それにしても、
この季節の魅力はつきませんね。
読書の秋、スポーツの秋、
食欲の秋・・・。
何をするにも」 |
小林 |
「秋も深まってきたな」 |
北小岩 |
「隣は何をするひとぞ・・・。
むっ!
先生、あれをご覧ください」 |
小林 |
「百戦錬磨の俺の目から見ても、
極上の卑猥な光景や!」 |
隣家の庭には、数十人の男女が集っていた。
それだけではない。
一様に下半身を露出し、
その部分に松茸をつけているのであった。
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北小岩 |
「女性はそのまま装着しておりますが、
男性は俗に言うメスライオン、
つまり自分のイチモツを
後ろに回して挟み込み、
女性と見紛うような形態にしてから、
くっつけております」 |
小林 |
「君らは何しとるんや?」 |
隣の人 |
「『松茸の秋』を味わっているのですよ」
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北小岩 |
「なるほど。
先生、もしかすると秋は
読書やスポーツだけではなく、
様々な趣があるのかもしれませんね」 |
小林 |
「探る必要があるな」 |
隣の隣をのぞくと。
プ〜! プ〜!! ププププ〜!!!
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北小岩 |
「あなた方は何をされているのですか?」 |
隣の隣の人 |
「見ての通りさ。
みんなでおケツを天に向けて、
屁をこいているのさ。
秋は芋や栗など、
よい屁を育む食材が目白押しだろ。
食欲の秋じゃ、片手落ちだよ。
つまり俺たちは
『おならの秋』を謳歌しているんだよ」 |
北小岩 |
「へっ。
奥が深いと申しますか、
奥が臭いと申しますか」 |
小林 |
「油断ならんな」 |
隣の隣の隣では、陰毛の紅葉、
黄葉を楽しむ『じんじろ毛の秋』、
隣の隣の隣の隣では、
渋い音色を愛でる『尺八の秋』が行われていた。
尺八の秋では、ここに記すことができない
不埒な行いもあったと聞く。 |
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今の季節、かくも日本には多くの味わいがある。
それがよいことか否か、
簡単に答えが出せるものでもないであろう。
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