KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百拾四・・・秋

リンリンリリリリン ニュウリンリン

「コオロギさんの声が聴こえます」

リンリンリリリン チンリンリン

「メスコオロギさんに、
 愛の告白をしているのでございますね」

ススキノ〜 ススキノ〜

「あっ、いつの間にか一本だけ、
 ススキさんが生えていらっしゃいます」

ススキノ〜 アワアワ〜
ススキノ〜 アワアワ〜

「不思議でございます。
 意表をついたところに一本。
 そういえば、乳輪のあたりに
 一本だけみょ〜に長くなる毛が
 生えることがございます。
 ここは自然界の乳輪なのかもしれません」

どうでもよいことに感心しているのは、
弟子の北小岩くんであった。

「なんやさっきから。
 ススキノだとか乳輪だとか。
 お前、どっくんと溜まっとるんやないか」

どうでもよいことをのたまっているのは、
アナルな男こと小林先生であった。

北小岩 「さすがに秋だなあと、
 心をそよがせていたのでございます。
 それにしても、
 この季節の魅力はつきませんね。
 読書の秋、スポーツの秋、
 食欲の秋・・・。
 何をするにも」
小林 「秋も深まってきたな」
北小岩 「隣は何をするひとぞ・・・。
 むっ!
 先生、あれをご覧ください」
小林 「百戦錬磨の俺の目から見ても、
 極上の卑猥な光景や!」

隣家の庭には、数十人の男女が集っていた。
それだけではない。
一様に下半身を露出し、
その部分に松茸をつけているのであった。

北小岩 「女性はそのまま装着しておりますが、
 男性は俗に言うメスライオン、
 つまり自分のイチモツを
 後ろに回して挟み込み、
 女性と見紛うような形態にしてから、
 くっつけております」
小林 「君らは何しとるんや?」
隣の人 「『松茸の秋』を味わっているのですよ」

北小岩 「なるほど。
 先生、もしかすると秋は
 読書やスポーツだけではなく、
 様々な趣があるのかもしれませんね」
小林 「探る必要があるな」

隣の隣をのぞくと。

プ〜! プ〜!! ププププ〜!!!

北小岩 「あなた方は何をされているのですか?」
隣の隣の人 「見ての通りさ。
 みんなでおケツを天に向けて、
 屁をこいているのさ。
 秋は芋や栗など、
 よい屁を育む食材が目白押しだろ。
 食欲の秋じゃ、片手落ちだよ。
 つまり俺たちは
 『おならの秋』を謳歌しているんだよ」
北小岩 「へっ。
 奥が深いと申しますか、
 奥が臭いと申しますか」
小林 「油断ならんな」

隣の隣の隣では、陰毛の紅葉、
黄葉を楽しむ『じんじろ毛の秋』、
隣の隣の隣の隣では、
渋い音色を愛でる『尺八の秋』が行われていた。
尺八の秋では、ここに記すことができない
不埒な行いもあったと聞く。
 
今の季節、かくも日本には多くの味わいがある。
それがよいことか否か、
簡単に答えが出せるものでもないであろう。

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2010-10-10-SUN

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