KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百拾七・・・ストラップ

ぎこぎこぎこ〜

「弱りきっていた太ももの筋肉が、
 悲鳴をあげております。
 しかし、悲鳴の向こう側に、
 たくましい太ももが待っているのです」

弟子の北小岩くんは、近所のこどもが小学校に入学し、
用済みとなった三輪車を貰い受けたのだ。

ぎっこんばっこんぎっこんばっこん〜

「俺も昔は韋駄天丼と恐れられた男や。
 太ももの筋肉なら負けへんで〜」

後ろから猛スピードで追走するのは、
小林ヘドロ先生であった。
先生の三輪車は、
不法投棄されていた錆び付いたものである。

北小岩 「先生は三輪車と聞くと、
 千束四丁目あたりの
 スペシャルなプレイしか
 思い浮かべることができないでしょうが、
 わたくしは三輪車を
 純粋に愛しております。
 道を譲るわけにはまいりません」

弟子は回転速度をMAXにし、
人間離れの走行を披露。
先生との差はみるみるうちに広がり。

北小岩 「むっ!
 正面から携帯電話をかけた
 小股の匂いたつ女性がやってまいります。
 わたくしにはまったく
 注意を向けておりません。
 このままではぶつかり・・・。
 うわっ!」

どわ〜〜〜〜ん
き〜〜〜〜〜〜ん

急ハンドルを切ったために、電信柱に激突。
き〜〜〜〜〜〜んというのは、
文字通り金玉をしこたま打った音である。

先生 「急に止まるな〜〜〜!」

どわ〜〜〜〜ん
き〜〜〜〜〜〜ん

先生は北小岩くんを避けようとして
壁に激突。
き〜〜〜〜〜〜んというのは、
もちろん金玉をしこたま打った音である。

北小岩 「う〜〜〜〜〜〜〜。
 はっ、先生ご覧ください。
 小股の匂いたつ女性が持っている
 携帯を!」
小林 「ストラップのことやな。
 確かにあれはパンティや!」
北小岩 「百花繚乱の
 ストラップ界でございますが、
 生モノもありなのでしょうか。
 すみません、
 ちょっとおたずねいたしますが、
 それはもしや」
小股の
匂いたつ
女性
「私の勝負パンツよ。
 あんたたちみたいな下僕からは、
 いつも勝負パンツで
 連戦連勝に見えるでしょ。
 でもね、
 意外に不戦敗のことも多いのよ。
 だから男たちに注目されやすいように
 ストラップにし、
 ちら見させることにしたのよ」


師弟ともに、
パンツが穴つきであることを見逃さなかった。

北小岩 「横断歩道をご覧ください!」

ボンデージファッションの
スレンダーで意地悪そうな美女が渡ってくる。

意地悪
そうな美女
「何ジロジロ見てるのよ!」

ビシッビシッ

小林 「うううう。
 いちちちち。
 奴はSM用のムチを
 ストラップにしとった」

「もしもし・・・。
 だ〜れ?
 ば〜あさんかい」

北小岩 「ご老人が通話しながら歩いてきますが、
 尿瓶のストラップをつけております」
小林 「漏らさんように使用しとるんやな。
 たっぷんたっぷんの中身入りや」

ご老人 「な〜に?
 盆栽の水だ〜?
 やらないと枯れてしまうな〜。
 こうやって」

じょぼじょぼ

小林&
北小岩
「うわ〜〜〜!」

ご老人は会話と現実が混在してしまい、
尿瓶を二人の上で傾けてしまったのだ。
師弟は呆けたように口を開いていたので、
かなりの量を飲み込むこととなった。

かわいい&キモかわいいキャラクター等も
依然携帯ストラップとして人気を誇るが、
パンティ、ムチ、尿瓶等、
ある意味実用的ともいえる新タイプのものが
頻出していることにも、
注目しておきたいところである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2010-10-31-SUN

BACK
戻る