ぎこぎこぎこ〜
「弱りきっていた太ももの筋肉が、
悲鳴をあげております。
しかし、悲鳴の向こう側に、
たくましい太ももが待っているのです」
弟子の北小岩くんは、近所のこどもが小学校に入学し、
用済みとなった三輪車を貰い受けたのだ。
ぎっこんばっこんぎっこんばっこん〜
「俺も昔は韋駄天丼と恐れられた男や。
太ももの筋肉なら負けへんで〜」
後ろから猛スピードで追走するのは、
小林ヘドロ先生であった。
先生の三輪車は、
不法投棄されていた錆び付いたものである。
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北小岩 |
「先生は三輪車と聞くと、
千束四丁目あたりの
スペシャルなプレイしか
思い浮かべることができないでしょうが、
わたくしは三輪車を
純粋に愛しております。
道を譲るわけにはまいりません」 |
弟子は回転速度をMAXにし、
人間離れの走行を披露。
先生との差はみるみるうちに広がり。
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北小岩 |
「むっ!
正面から携帯電話をかけた
小股の匂いたつ女性がやってまいります。
わたくしにはまったく
注意を向けておりません。
このままではぶつかり・・・。
うわっ!」 |
どわ〜〜〜〜ん
き〜〜〜〜〜〜ん
急ハンドルを切ったために、電信柱に激突。
き〜〜〜〜〜〜んというのは、
文字通り金玉をしこたま打った音である。
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先生 |
「急に止まるな〜〜〜!」 |
どわ〜〜〜〜ん
き〜〜〜〜〜〜ん
先生は北小岩くんを避けようとして
壁に激突。
き〜〜〜〜〜〜んというのは、
もちろん金玉をしこたま打った音である。
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北小岩 |
「う〜〜〜〜〜〜〜。
はっ、先生ご覧ください。
小股の匂いたつ女性が持っている
携帯を!」 |
小林 |
「ストラップのことやな。
確かにあれはパンティや!」 |
北小岩 |
「百花繚乱の
ストラップ界でございますが、
生モノもありなのでしょうか。
すみません、
ちょっとおたずねいたしますが、
それはもしや」 |
小股の
匂いたつ
女性 |
「私の勝負パンツよ。
あんたたちみたいな下僕からは、
いつも勝負パンツで
連戦連勝に見えるでしょ。
でもね、
意外に不戦敗のことも多いのよ。
だから男たちに注目されやすいように
ストラップにし、
ちら見させることにしたのよ」
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師弟ともに、
パンツが穴つきであることを見逃さなかった。
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北小岩 |
「横断歩道をご覧ください!」 |
ボンデージファッションの
スレンダーで意地悪そうな美女が渡ってくる。
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意地悪
そうな美女 |
「何ジロジロ見てるのよ!」 |
ビシッビシッ
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小林 |
「うううう。
いちちちち。
奴はSM用のムチを
ストラップにしとった」 |
「もしもし・・・。
だ〜れ?
ば〜あさんかい」
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北小岩 |
「ご老人が通話しながら歩いてきますが、
尿瓶のストラップをつけております」 |
小林 |
「漏らさんように使用しとるんやな。
たっぷんたっぷんの中身入りや」
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ご老人 |
「な〜に?
盆栽の水だ〜?
やらないと枯れてしまうな〜。
こうやって」 |
じょぼじょぼ
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小林&
北小岩 |
「うわ〜〜〜!」 |
ご老人は会話と現実が混在してしまい、
尿瓶を二人の上で傾けてしまったのだ。
師弟は呆けたように口を開いていたので、
かなりの量を飲み込むこととなった。
かわいい&キモかわいいキャラクター等も
依然携帯ストラップとして人気を誇るが、
パンティ、ムチ、尿瓶等、
ある意味実用的ともいえる新タイプのものが
頻出していることにも、
注目しておきたいところである。
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