ドドドドドドド
チンチンチン
「うお〜!」
ビリッ
「褌が〜!」
チンチンチン
「年賀状です」
師走とは言え、この騒動は何であろう。
事の次第を振り返ってみよう。
褌一丁の男が、物凄い勢いで、
先生宅の門から入ってきた。
どうやら男は、飛脚であるらしい。
肥桶状のものに、郵便物らしきものが
ぎっしり詰まっている。
男はバランスを崩して門にぶつかり、
門から突き出ていた釘に褌を引っかけた。
褌は破れ、
フルチンの体勢で転がり込む事と相成った。
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北小岩 |
「またこの時季、
来てしまいましたか」
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まだ年は明けていない。
しかし、なぜこんなに大量の賀状が?
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小林 |
「困ったもんやな。
俺宛のものなど一通も無いわ」 |
北小岩 |
「そうでございますね。
なぜか毎年、
その年の正月に届いて
いらなくなったものが、
町中から届けられるのでございますね」 |
届けられるといえば聞こえはよいが、
ようするに不用になった年賀葉書を、
飛脚を通じて先生宅に捨てるというだけであろう。
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小林 |
「どや、
めぼしいものはあるか?」 |
北小岩 |
「毎年のレギュラーですが、
自分のイチモツが張り詰めた状態の
原寸大を送っている男がおります。
しかし、今年は
3ミリほど小さくなっているように
思われます」 |
小林 |
「それは朗報やな。
そのまま消えてなくなれや!」 |
先生の語気が強まる。
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北小岩 |
「これなどはいかがでしょうか。
芋版というものがございますが、
この女性は自分の乳首に朱肉をつけて、
押しているようでございます」 |
小林 |
「なるほど。
芋版で豚の鼻を押されてくるよりも、
ありがたみはあるわな」 |
北小岩 |
「うわ!
これはイカ臭いでございます」 |
小林 |
「投函する前にかなりの時間、
パンツの中に入れとったな。
とはいえ、
1年近く経過しているのに、
悪臭を保っているのは、
ある意味見事かもしれん」 |
北小岩 |
「むっ?
何でございましょうか。
お尻の写真の穴のあたりに、初日の出。
そこに、ビニール状のものが
プクッと出っ張っております。
押してみましょう」 |
グイッ
プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
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北小岩 |
「屁が出てまいりました!」 |
小林 |
「それだけやない!
初日の出という文字が、
『初屁の出』に変わったで」 |
北小岩 |
「この世のものとは思えぬ、
豪華すぎる香りでございます!」
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毎年年末になると、このように先生宅には
町内中の不用な賀状が大量に届く。
そのほとんどが、尋常ではないほど、
無価値なものばかりなのである。
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