KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百弐拾参・・・賀状

ドドドドドドド

チンチンチン

「うお〜!」

ビリッ

「褌が〜!」

チンチンチン

「年賀状です」

師走とは言え、この騒動は何であろう。

事の次第を振り返ってみよう。
褌一丁の男が、物凄い勢いで、
先生宅の門から入ってきた。
どうやら男は、飛脚であるらしい。
肥桶状のものに、郵便物らしきものが
ぎっしり詰まっている。

男はバランスを崩して門にぶつかり、
門から突き出ていた釘に褌を引っかけた。
褌は破れ、
フルチンの体勢で転がり込む事と相成った。

北小岩 「またこの時季、
 来てしまいましたか」


まだ年は明けていない。
しかし、なぜこんなに大量の賀状が?

小林 「困ったもんやな。
 俺宛のものなど一通も無いわ」
北小岩 「そうでございますね。
 なぜか毎年、
 その年の正月に届いて
 いらなくなったものが、
 町中から届けられるのでございますね」

届けられるといえば聞こえはよいが、
ようするに不用になった年賀葉書を、
飛脚を通じて先生宅に捨てるというだけであろう。

小林 「どや、
 めぼしいものはあるか?」
北小岩 「毎年のレギュラーですが、
 自分のイチモツが張り詰めた状態の
 原寸大を送っている男がおります。
 しかし、今年は
 3ミリほど小さくなっているように
 思われます」
小林 「それは朗報やな。
 そのまま消えてなくなれや!」

先生の語気が強まる。

北小岩 「これなどはいかがでしょうか。
 芋版というものがございますが、
 この女性は自分の乳首に朱肉をつけて、
 押しているようでございます」
小林 「なるほど。
 芋版で豚の鼻を押されてくるよりも、
 ありがたみはあるわな」
北小岩 「うわ!
 これはイカ臭いでございます」
小林 「投函する前にかなりの時間、
 パンツの中に入れとったな。
 とはいえ、
 1年近く経過しているのに、
 悪臭を保っているのは、
 ある意味見事かもしれん」
北小岩 「むっ?
 何でございましょうか。
 お尻の写真の穴のあたりに、初日の出。
 そこに、ビニール状のものが
 プクッと出っ張っております。
 押してみましょう」

グイッ

プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

北小岩 「屁が出てまいりました!」
小林 「それだけやない!
 初日の出という文字が、
 『初屁の出』に変わったで」
北小岩 「この世のものとは思えぬ、
 豪華すぎる香りでございます!」


毎年年末になると、このように先生宅には
町内中の不用な賀状が大量に届く。
そのほとんどが、尋常ではないほど、
無価値なものばかりなのである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2010-12-12-SUN

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