ぽかんぽかん
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北小岩 |
「早いものでございます。
もう4月でございますね」 |
ちかんちかん
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北小岩 |
「エイプリルフールの日、
『今日は干してあるパンティは
取り放題ですよ』と
馬鹿でもわかる嘘を申し上げたところ、
先生は真に受けてしまいました。
エッチな二宮金次郎さまのように、
エロ本を読みながら
大量のパンティを背負っているところを
女性たちに見つかり、
股間にキックを
108発あびたのでございました。
4月馬鹿を見事に体現しておりました」 |
ぷっぷ〜
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北小岩 |
「屁のようなクラクションで
登場したのは、
わたくしの友人の中でも最も裕福な
屁車次郎さんでございますね。
ついに車を買ったのでございますか」 |
屁車 |
「叔父から2円50銭で、
中古を譲り受けたんだ」 |
今どき2円50銭で車を買う男が、
最も裕福なのであろうか。
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屁車 |
「隣町に万能型ドライブスルーが
できたんだよ。行ってみよう」 |
ぷ〜ぷ〜ぷぷぷ〜
世にもなさけない排気音を残し、車は走り去った。
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北小岩 |
「凄いネオンでございますね。
まるでベガスでございます」 |
この男、もちろんベガスに行ったことはなく、
実際に見たことがあるのは
チンカスが関の山である。
「いらっしゃいませ」
ミニスカートの股間部分に
スルーという文字が書かれたスレンダーな女性が、
笑顔で迎えてくれる。
「何にいたしますか。
フランス料理のフルコースなどいかがですか」
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北小岩 |
「屁車さんは大金持ちなので、
そういたしましょう。
では、よっちゃんイカと
こぶ茶をお願いいたします」
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弟子にとってのフルコースは、それなのである。
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屁車 |
「食べ終わったらもう一周して、
クリーニングをしてもらおうか」 |
北小岩 |
「わたくし、ここ何日も
服を着替えておりません。
洗濯していただけるのは
ありがたいですね」 |
再び車を進めると、両側のドアが開かれ、
桶と特殊なイスを持ったお姉さんが。
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お姉さん |
「大切なとこ、洗ってあげるね」 |
北小岩 |
「きっ、気持ちよすぎでございます!
クリーニングとは、
このことでございましたか!!」 |
その時、後部座席から聞きなれた卑しい声がした。
「お前、俺を差し置いて
いい思いをしたな!!」
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北小岩 |
「はっ、先生!
なぜそこに。
わたくしはただクリーニングを」 |
小林 |
「うるさい!
屁車、すぐにもう一周回せ!
俺だけが、
この『金玉むせび泣き』という
至福のメニューを味わうんや!」 |
ぐるっと回して車を止めると、後部のドアが開けられ。
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小林 |
「待ってたで〜!」 |
ボスッ!
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小林 |
「うぐ!」 |
ボスッボスッ!
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小林 |
「うぐ! うぐ!」 |
先生の玉をめがけて飛んできたのは、
表面が剣山状の砲丸であった。
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小林 |
「やばい!
砕ける!!
はよ車を出さんか!」 |
屁車 |
「ポンコツなので、エンストして
エンジンがかからなくなって
しまいました!」
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ボスッボスッボスッボスッボスッボスッ
ボスッボスッボスッボスッボスッボスッ!
金玉むせび泣きとは、
好意を持っていない男と
車に乗るはめになった女性が、
いやらしいちょっかいを出された時に
反撃するためのメニューであった。
そのまま先生の玉は、
木っ端微塵になりました。
めでたしめでたし。
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