KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百四拾壱・・・スイッチ

ひらひらひら

「この季節にこの音と言えば、
 ほとんどの方が想像するものがございますね」

ひらひらひら

「薄桃色、あの美しき・・・」

ひらひらひら

「そうですね。
 平社員で無駄に乳首だけが薄桃色のおじさん、
 杯乙麗男(ぱいおつうるお)さんで
 ございます」

先生宅のボロ廊下にて。
ほとんどの人が想像もしたくない男を
頭に思い浮かべているのは、
弟子の北小岩くんであった。

「まだまだ冷え込みますね。
 さてお小水を。
 むっ、これは! うふふふふふふふふふ」

便所のスイッチが、
薄桃色の乳首状のものになっているのだ。

「どこの美女をかたどったのでしょうか。
 この麗しき色、形状。
 わたくし、つい興奮してまいりました!」

「ぶおっふぉっふぉっふぉっ」

バルタン星人のように登場したのは、
卑しさを一身にまとった小林先生であった。

「引っ掛かりよったな!」

「どういうことでございますか」

「そのスイッチは杯乙麗男がくれたんやが、
 奴の乳首をかたどったものなんやで」

「げげっ!
 っても指先が損をした気がいたします!!」

それにしても、
なんという意味のない会話であろうか。
ともかく、話を先に進めよう。

小林 「杯乙はああ見えても、
 スイッチのスペシャリストや」
北小岩 「そうらしいですね」
小林 「今から来るから、
 いろいろと教えてもらおうやないか」

チンポーン!

自分のイチモツの上に、
自分のイチモツ状のスイッチを備え付け、
それを押しながら入ってきた氏であった。

 
杯乙 「先生からご要望のあった、
 モテる奴の邪魔をするためのスイッチを
 いくつか作ってきましたよ」
小林 「でかしたな」
杯乙 「まずはモテる奴のキスを
 粉砕しなければなりません。
 これを鼻にいれてください」
北小岩 「豆電球みたいですね」

カチャッ! ピカッ!!

小林 「あははは!
 まぬけや!!
 夜中にキスしようとしている時に
 これをやれば、
 女が笑って先はないわな」

北小岩 「この電極のようなものは、
 何でございますか」
杯乙 「目をつむってますから、
 イチモツにつけてください」

カチャッ! ビリッ!!

北小岩 「うお〜〜〜!
 触ったら感電しそうになりました」
小林 「完璧や!
 さしずめ、超小型の
 自前電気ウナギというところやな。
 こんな物騒なモノを
 迎え入れる女はいないわな」

スイッチをどのように
モテる奴に装着するかまでは、
気が回っていない三人。
モテない男たちの悲しい浅知恵であろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2011-04-17-SUN

BACK
戻る