小林 |
「ゴールデン・ボールウイークも、
ついに終わってしまったな」 |
北小岩 |
「そうでございますね」 |
小林 |
「ゴールデン・ボールを
磨きに磨いて備えたが、
なんもええことなかった」 |
北小岩 |
「ムダ光でございましたね」 |
二人の股間がぼうっと光りを放つ。
ホタルならば風情があるが、
金玉を光らせている男たちなど、
忌むべき以外の何物でもない。
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小林 |
「俺一人ならば
モテまくったに違いない。
お前が常に俺の横っちょにおったから、
美女たちに敬遠されたんや」 |
北小岩 |
「申し訳ございません。
その通りでございます」 |
このようにやさしい心を持った弟子が存在することを、
我々は誇りに思いたい。
また、心の美しい弟子を持ちながら、
何の実力もないのに
傲岸不遜な態度をとり続ける先生を、
我々は軽蔑し続けたい。
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北小岩 |
「せめて今からでも、
少しでもよいことが起きますように、
わたくし一生懸命お祈りいたします」 |
カーカー カーカー カーカー
ぼとっ!ぼとっ!ぼとっ!
目をつむった弟子のつむじの上に、
カラスのフンが降り積もっていくが、
微動だにしない。
その刹那・・・
プップッー
これは屁ではなく、ジープのクラクションだった。
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小林 |
「なんや、外人男と金髪女やな」 |
北小岩 |
「ガムを噛み始めました。むっ!」 |
プッ プッ プッ
これも屁ではない。
噛むたびに、大きな屁の音がするガムなのである。
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小林 |
「見事や!」 |
北小岩 |
「楽しそうでございますね」
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小林 |
「二枚もらってこいや」 |
北小岩 |
「ギブ・ミー・チューイン屁ガム!」 |
外人 |
「オー!
アゲル〜ヨ。ヨクカミ〜ナ!!」 |
北小岩 |
「ありがとうございます!」 |
プッ プッ プッ
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北小岩 |
「先生、楽しいでございますね」 |
プッ プッ プッ
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小林 |
「うむ!」 |
外人さん、北小岩くんに向かって。
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外人 |
「ソコノ、オネスティナヒト、
キミニオチンチンヨウノキャンディヲ
アゲルヨ。
キャンディノネイムハ、
『ポール・ジュニア』ッテイウンダ。
キミノハオオキソウダカラ、
マグナムサイズノモノヲネ」 |
北小岩 |
「ありがとうございます!」 |
弟子はパンツの隙間からキャンディを入れ、
おちんちんに舐めさせた。
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北小岩 |
「ひゃ〜!
冷たいけれど、
なんとなくおいしいでございます」
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小林 |
「あんた、俺にもくれや」 |
外人 |
「ナンダ、オマエカ。
オマエノモノハ、
ペットボトルノフタグライシカナイダロ。
コノトケタ二センチノヤツデ
ジュウブンダ。ホラ」 |
ぼとっ
極小のポール・ジュニアは地面に落ち、
砂まみれになった。
この行為は屈辱ではなく、外人が先生に対して、
正しい施しをしたというべきであろう。
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