じょぼ〜〜〜
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北小岩 |
「ゴールデンボール・ウイークが
終わったと思ったら、
突然暑くなりましたね」 |
じょぼじょぼ〜〜〜
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北小岩 |
「みなさまはすでに気分を切り替え、
夏に向かっていらっしゃるので
ございますね」 |
じょぼじょぼじょぼ〜〜〜
この音は、放尿音ではない。
庭のぺんぺん草に、水をあげているのである。
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北小岩 |
「お水をかぶった草花は、
どんな気持ちなのでございましょうか。
全裸で水浴びしている感じなので
ございましょうか。
ということは、わたくしは
全裸の女性にお水をかけているのと
同じことになるのでは」 |
取るに足らない妄想をし、
興奮しそうになっている。
あわれな弟子であった。
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小林 |
「何をごちゃごちゃ抜かしとるんや。
一人猥談か」 |
北小岩 |
「めっそうもございません。
草花は夏に向かって」 |
小林 |
「夏に向かって薄着になって、
ブラジャーの線でも透けとるんかい」 |
下衆な先生に、季節の草花の趣に
思いを馳せろという方が、無理であろう。
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北小岩 |
「わたくし何よりも、
ブラジャーの線は愛しておりますが。
うっ!」 |
突然、目を押さえた。
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北小岩 |
「羽虫が目の奥に入ってしまいました」 |
小林 |
「大丈夫か。
今の時期、羽の生えたもんが
やたらと浮遊しとる。
気をつけなあかんな。
虫以外のものも、注意が必要やで」 |
北小岩 |
「と申しますと」 |
小林 |
「町はずれの野原に行ってみよか」 |
弟子は左目を押さえながら、
師の後をとぼとぼ歩き、何とか野原に到着した。
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小林 |
「今年の羽は侮れんで」 |
北小岩 |
「意味がよくわかりませんが。
むっ! ぎょわ〜〜〜!!」 |
およそ大人にはそぐわない
奇妙な声をあげてしまったのもむべなるかな。
なにせ。
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北小岩 |
「ウンコに羽が生えて飛んでおります!」 |
小林 |
「危ない! 避けんか!!」
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チク!
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北小岩 |
「痛いでございます!
信じられないことですが、
刺してきました!!」 |
小林 |
「刺されてしまったか・・・」 |
北小岩 |
「うわ! 痛たた!!
二回も刺されてしまいました。
スズメバチに二度刺されると、
命を落とす人もございます。
わたくし、
ウンコに二度刺されて死んだ
史上初めての人間に
なってしまうのでしょうか」
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小林 |
「安心せい。
そこまでのことではないわ。
一度刺されると10日間
身体がウンコ臭くなる。
二度刺されると20日間
身体がウンコ臭くなる。
それだけや。
20日間、お前には暇をとらす」 |
薄情な先生は、文無しの弟子を、
20日も遠ざけることを決めてしまった。
この時期、羽の生えた生き物が
数多くみられるが、
特に糞には気をつけていただきたい。
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