「もう5月も終わりでございますね」
ビリッ
「しまった!
わたくし、今カレンダーを
破いてしまいましたが、
後2日分、5月が残っておりました」
ピッ ビュー
「セロテープで元通りに貼っておきました。
これで大丈夫でございますね」
無駄の極みといっても過言ではない行動を
とっているのは、弟子の北小岩くんであった。
「もう6月やな、
カレンダーがまだ5月になっとるやないけ」
ビリッ
「しまった!
まだ6月には早かった。
しかし、破ったところがなぜか
テーピングされとる。
カレンダーが怪我でもしとったんかい」
弟子が弟子なら師も師。
どちらも無意味であるし、当然、
世の中のお役に立てるとは思えない。
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小林 |
「なんやお前、そこにいたんか。
このカレンダーは怪我をしとるから、
捨てといてくれや」 |
北小岩 |
「かしこまりました」 |
小林 |
「それにしても暇やな。
ちょいと、山に向かって歩いてみるか」 |
北小岩 |
「気分転換にもいいでございますね」 |
それから二日後。
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北小岩 |
「やっと着きました。
気分転換というには、
あまりにハードでございましたね」 |
けらけらけら
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北小岩 |
「ひざが笑っております」
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小林 |
「お前のひざなんか、
泣こうが笑おうが、糞をもらそうが、
何でもええ。
だが、妙に霧が出てきておらんか」 |
北小岩 |
「そうでございますね。
これでは前がまったく見えません。
何かにぶつかってしまうと、
危険でございます。
あっ!」 |
チュッ
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北小岩 |
「もっ、申し訳ございません。
わたくしそんなつもりでは
なかったのでございますが、
前が見えなくて、
結果的にキスをしてしまいました」 |
美女A |
「私の方こそごめんなさいね。
でも、あなたのように
やさしそうな方でよかったわ。
それじゃあね」 |
チュッ
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北小岩 |
「もっ、申し訳ございません。
不埒な心など皆無なのですが、
前が見えなくて、
先ほどとは違う方に
結果的にキスをしてしまいました」 |
美女B |
「かまわないわ。
あなたのように純真そうな人で、
むしろよかったぐらいよ。
それじゃ、バイバイ」 |
小林 |
「おいお前、
素直にポジションをかわれや」 |
北小岩 |
「はい、かしこまりました」 |
ビチュ
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小林 |
「おっ、このツンとおすましした感触。
いったいどんな美女や。
それにしても、
なんか臭いような気もするが。
むっ!
げげ〜!」 |
ヒヒ〜ン! ぼこ!! キ〜ン!
パカッ! パカッ! パカッ!
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小林 |
「う〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」 |
先生がキスをしたのは、なんと、
馬のケツの穴であった
。怒った馬は、先生の金玉を蹴り上げたのだ。
邪悪な心を持った男の末路など、
このようなものであろう。
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