KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百四拾七・・・霧

「もう5月も終わりでございますね」

ビリッ

「しまった!
 わたくし、今カレンダーを
 破いてしまいましたが、
 後2日分、5月が残っておりました」

ピッ ビュー

「セロテープで元通りに貼っておきました。
 これで大丈夫でございますね」

無駄の極みといっても過言ではない行動を
とっているのは、弟子の北小岩くんであった。

「もう6月やな、
 カレンダーがまだ5月になっとるやないけ」

ビリッ

「しまった!
 まだ6月には早かった。
 しかし、破ったところがなぜか
 テーピングされとる。
 カレンダーが怪我でもしとったんかい」

弟子が弟子なら師も師。
どちらも無意味であるし、当然、
世の中のお役に立てるとは思えない。

小林 「なんやお前、そこにいたんか。
 このカレンダーは怪我をしとるから、
 捨てといてくれや」
北小岩 「かしこまりました」
小林 「それにしても暇やな。
 ちょいと、山に向かって歩いてみるか」
北小岩 「気分転換にもいいでございますね」

それから二日後。

北小岩 「やっと着きました。
 気分転換というには、
 あまりにハードでございましたね」

けらけらけら

北小岩 「ひざが笑っております」

小林 「お前のひざなんか、
 泣こうが笑おうが、糞をもらそうが、
 何でもええ。
 だが、妙に霧が出てきておらんか」
北小岩 「そうでございますね。
 これでは前がまったく見えません。
 何かにぶつかってしまうと、
 危険でございます。
 あっ!」

チュッ

北小岩 「もっ、申し訳ございません。
 わたくしそんなつもりでは
 なかったのでございますが、
 前が見えなくて、
 結果的にキスをしてしまいました」
美女A 「私の方こそごめんなさいね。
 でも、あなたのように
 やさしそうな方でよかったわ。
 それじゃあね」

チュッ

北小岩 「もっ、申し訳ございません。
 不埒な心など皆無なのですが、
 前が見えなくて、
 先ほどとは違う方に
 結果的にキスをしてしまいました」
美女B 「かまわないわ。
 あなたのように純真そうな人で、
 むしろよかったぐらいよ。
 それじゃ、バイバイ」
小林 「おいお前、
 素直にポジションをかわれや」
北小岩 「はい、かしこまりました」

ビチュ

小林 「おっ、このツンとおすましした感触。
 いったいどんな美女や。
 それにしても、
 なんか臭いような気もするが。
 むっ!
 げげ〜!」

ヒヒ〜ン! ぼこ!! キ〜ン!

パカッ! パカッ! パカッ!

小林 「う〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

先生がキスをしたのは、なんと、
馬のケツの穴であった
。怒った馬は、先生の金玉を蹴り上げたのだ。
邪悪な心を持った男の末路など、
このようなものであろう。
 

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2011-05-29-SUN

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