KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百伍拾弐・・・街灯

ぶら〜ん

「油断をしていると、夏になってしまいますね」

ぶら〜んぶら〜ん

「二つの愛しき玉よ、
 今年の夏も、あなた方のお働きに
 報いることはできそうにございません」

赤ふんどしの隙間から、
こんにちわをしている二個玉にむかって
頭を垂れているのは、弟子の北小岩くんであった。

北小岩 「あなた方がのんびり揺れるさまは、
 まるでゆりかごのようでございます。
 わたくし、睡魔に。
 ふわ〜」

縁側で玉を出したまま、熟睡してしまった。

ブ〜ン、チュ〜ン

ブ〜ン、チュ〜ン

メスの蚊が大挙襲来し、順番待ちをしながら、
弟子の玉の血を吸っていく。

小林 「お前、玉が発情したように
 赤く腫れきっとるで」
北小岩 「あっ、先生。
 しまった!
 玉をしまい忘れてしまいました。
 わたくしの水晶のようなモノが、赤玉に」

寝ぼけているせいか、
訳のわからないことを口走る。

小林 「そんな無価値なものはどうでもええ。
 それより、夜食用のよっちゃんイカは
 用意してあるんやろな」
北小岩 「はっ、
 自分のブツが極度にイカ臭かったので、
 ストックがあるものと
 勘違いしておりましたが、
 もう底をついております。
 申し訳ございません」

弟子は先生からなけなしの30円をもらい、
24時間営業の「イカコック商店」に向かった。

北小岩 「街灯がきらめく時間に
 なっていたのでございますね。
 むっ、暗がりで若い男女が
 乳繰り合っております。
 むむっ、それを見た街灯の柱が
 太く長くなりました」

ピカッ!

乳繰り
合ってる男
「うわ〜! あちい〜〜〜!!」

フラッシュのような光は稲妻ではなく
街灯の攻撃であった。
不埒な男の股間からは、煙が出ている。

北小岩 「見事でございます。
 一瞬にして、
 エロ野郎を撃退したのでございますね」

その時、横断歩道を渡り
スレンダーな薄着女性がこちらに向かってきた。

モワモワ〜〜〜

辺りに鈍くどよ〜んとした光が立ち込めた。

スレンダー
な薄着女性
「うわ、耐えられないわ、この暑さ。
 全部、脱いじゃいましょ」
北小岩 「うおほほ〜〜〜」

街灯の柱が先ほどより数倍猛々しくなり、
反り返りながらぴくぴく動いている。

日々、さりげなく辺りを照らし続けている街灯。
しかし、ひとたびスケベなことに接すると、
様々な変化を起こしていることに注目したい。

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2011-07-03-SUN

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