KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百伍拾四・・・デマゴギー

ポコ

「おっ」

ポコポコ

「おっおっ」

何がポコポコ音を立てているのかと思えば。

北小岩 「毛穴でございますね」

不肖の弟子の汚れた穴であった。
そんなものは想像もしたくないのであるが、
一応、話に耳を傾けてみよう。

北小岩 「先生宅には唯一、
 涼をとるための道具として、
 扇風機がございます。
 しかし、
 長年の使用による疲労蓄積により、
 三本あった羽が一本になり、
 それも三分の一しか
 原型をとどめておりません。
 今年の暑さですと、
 当然毛穴が悲鳴をあげ、
 大開きしてしまうのでございます」

ポコポコというのは、
北小岩くんの毛穴が花開く音であった。

北小岩 「抜けてしまった歯のような
 扇風機を見ていると、
 わたくし、
 自分自身を投影せずにはおれません」

小林 「なんや? 中折れか?
 そんなことより、
 アイスを食いにいかんか」
北小岩 「金銭をお持ちなのでございますか」
小林 「もっとらん。
 だが、金がない奴は頭を使え。
 例えば駄菓子屋さんを
 思い浮かべてみよ。
 アイスの冷凍庫が、炎天下、
 店先に設置されていることがままある。
 ガキどもはケースを
 長時間開けたまま
 アイスを選ぶ傾向がある。
 その時に溶けて、再び固まり、
 変形しているものがあるはずや!」
北小岩 「なるほど。
 店にそれを指摘し、
 運が良ければタダでもらえるかも
 しれないのでございますね」
小林 「うむ。では、いざ出陣や」

そんなことより、
もう少しましな方法もあると思うのだが。

北小岩 「むっ、先生!
 そこかしこに張り紙が」

張り紙1
『小林秀雄先生のイチモツは、象が踏んでも壊れない』

張り紙2
『小林秀雄先生の陰毛は、サソリを刺す』

張り紙3
『小林秀雄先生の玉は、
 ボーリングでストライクを連発できる』

北小岩 「明らかにデマでございますので、
 はがしましょうか」
小林 「まあ待て」

そこにパンティ丸見えのスレンダーな女が
二人通りかかった。

パンティ
丸見えの
女1
「こんなタフネスな男が、
 ほんとにいるのかしら」
パンティ
丸見えの
女2
「デマゴギーでしょ。
 でも、もし本当なら私のカラダを・・・」

そこに象を連れた象使いが通りかかった。

北小岩 「せっ、先生。バカな事を考えるのは」

気持ちのいい思いをする可能性が
マンにひとつでもある場合、先生に躊躇はない。

小林 「そこの女の子たち、
 よく見ておくがよい。
 私が小林秀雄先生や」

言うが早いか象が通過するであろう場所に寝転んだ。

ぐにゅぼきぐにゃ

小林 「うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

先生が小学生時代に使っていた筆箱は、
象が踏んでも壊れないものであったが、
己のイチモツは、
ひとたまりもなかった。
イチモツは、車に轢かれたカエル同様となったが、
その無意味な勇気に魅せられる女など、
一人もいなかった。

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2011-07-17-SUN

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