ポコ
「おっ」
ポコポコ
「おっおっ」
何がポコポコ音を立てているのかと思えば。
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北小岩 |
「毛穴でございますね」 |
不肖の弟子の汚れた穴であった。
そんなものは想像もしたくないのであるが、
一応、話に耳を傾けてみよう。
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北小岩 |
「先生宅には唯一、
涼をとるための道具として、
扇風機がございます。
しかし、
長年の使用による疲労蓄積により、
三本あった羽が一本になり、
それも三分の一しか
原型をとどめておりません。
今年の暑さですと、
当然毛穴が悲鳴をあげ、
大開きしてしまうのでございます」 |
ポコポコというのは、
北小岩くんの毛穴が花開く音であった。
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北小岩 |
「抜けてしまった歯のような
扇風機を見ていると、
わたくし、
自分自身を投影せずにはおれません」
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小林 |
「なんや? 中折れか?
そんなことより、
アイスを食いにいかんか」 |
北小岩 |
「金銭をお持ちなのでございますか」 |
小林 |
「もっとらん。
だが、金がない奴は頭を使え。
例えば駄菓子屋さんを
思い浮かべてみよ。
アイスの冷凍庫が、炎天下、
店先に設置されていることがままある。
ガキどもはケースを
長時間開けたまま
アイスを選ぶ傾向がある。
その時に溶けて、再び固まり、
変形しているものがあるはずや!」 |
北小岩 |
「なるほど。
店にそれを指摘し、
運が良ければタダでもらえるかも
しれないのでございますね」 |
小林 |
「うむ。では、いざ出陣や」 |
そんなことより、
もう少しましな方法もあると思うのだが。
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北小岩 |
「むっ、先生!
そこかしこに張り紙が」 |
張り紙1
『小林秀雄先生のイチモツは、象が踏んでも壊れない』
張り紙2
『小林秀雄先生の陰毛は、サソリを刺す』
張り紙3
『小林秀雄先生の玉は、
ボーリングでストライクを連発できる』
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北小岩 |
「明らかにデマでございますので、
はがしましょうか」 |
小林 |
「まあ待て」 |
そこにパンティ丸見えのスレンダーな女が
二人通りかかった。
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パンティ
丸見えの
女1 |
「こんなタフネスな男が、
ほんとにいるのかしら」 |
パンティ
丸見えの
女2 |
「デマゴギーでしょ。
でも、もし本当なら私のカラダを・・・」 |
そこに象を連れた象使いが通りかかった。
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北小岩 |
「せっ、先生。バカな事を考えるのは」 |
気持ちのいい思いをする可能性が
マンにひとつでもある場合、先生に躊躇はない。
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小林 |
「そこの女の子たち、
よく見ておくがよい。
私が小林秀雄先生や」 |
言うが早いか象が通過するであろう場所に寝転んだ。
ぐにゅぼきぐにゃ
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小林 |
「うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
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先生が小学生時代に使っていた筆箱は、
象が踏んでも壊れないものであったが、
己のイチモツは、
ひとたまりもなかった。
イチモツは、車に轢かれたカエル同様となったが、
その無意味な勇気に魅せられる女など、
一人もいなかった。
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