ポタポタ
|
北小岩 |
「ふう、まだまだ汗がしたたりますね」 |
キュッ ポン
|
北小岩 |
「うふふふ。
汗を流したら、水分補給でございますね」 |
ゴゴゴゴっくん
|
北小岩 |
「うまいですう!
やっぱり暑い日には、
水筒に入れた水道水に限ります!
これだけで、
近所にいても旅の風情を楽しめるのです」 |
ガラガラガラガラ
|
北小岩 |
「おや、遠出さん。
どちらにおでかけですか」 |
遠出 |
「ベニスだよ。
二週間ほど町をあけるけど、
よろしくね」 |
北小岩 |
「はい。かしこまりました。
ベニスに行くのでございますか・・・。
ペニスがいく、
の間違いではございませんよね。
カッコいいです・・・」 |
小林 |
「お前また、
卑猥な言葉を口走っとったな」 |
北小岩 |
「あっ、先生。
めっそうもございません。
ところで、夏休みのご旅行は、
いかが致しますか」 |
小林 |
「壮大な旅を計画しとるで」 |
北小岩 |
「そうでございますか!」 |
小林 |
「ああ。
まだ近所でありながら、
一度も通ったことない道があるやろ。
そこをくまなく回ってみようと思ってな。
豪華やろ。お前もどや」 |
北小岩 |
「考えようによっては、
楽しそうでございますね。:
参加させていただきます」 |
キャー! キキーッ! ボン!
|
北小岩 |
「むむっ、
若い男が自転車で
おばあさんにぶつかったのに、
そのまま逃走いたしました。
許せません!」 |
弟子はそばに落ちていた棒で、
犬の糞を串刺しにすると、
若い男に向かって思いっきり投げた。
|
北小岩 |
「糞くらえでございます!!」 |
ベチョ!
見事というべきだろうか。
犬の糞は先生の後頭部を直撃した。
|
小林 |
「・・・。
お前の気持ちはわからんでもない。
しかし、だからと言って、
師の頭に至近距離から・・・」 |
完全な涙目になっている。
|
北小岩 |
「申し訳ございません」
|
キキーッ! ドン!!
|
北小岩 |
「あっ、先ほどの若い男が
ハンドル操作を誤り、
電信柱に激突しました!
ざまあみろでございます」 |
「ハンドル操作を誤ったんじゃないよ。
僕が矢印で方向を変えたんだ」
|
小林 |
「なんでお前は
汚いチンポを出しとるんや。
むむむっ!」
|
チンポであるが、
完全に矢印の形をしていたのだ。
仮に彼の名は、矢印くんとしよう。
|
矢印くん |
「僕は昔から心無い奴らとか、
付け上がった奴らを許せなくて。
だから、自分のイチモツを
矢印に改造したのさ。
これが指す方向で、
奴らの針路を変えることができるんだ。
さっき、おばあさんに自転車をぶつけて、
そのまま走り去った奴も、
思いっきり右に方向を変えてやったのさ」 |
北小岩 |
「それで、イチモツ本来の機能は
保たれているのでございますか」 |
矢印くん |
「失ったけど、それは仕方ないよね。
僕にとっては、気持ちのいい行為よりも、
奴らを懲らしめることのほうが
69倍大切だったから」 |
矢印くんのイチモツは、
真っ当な意味では使い物にならなくなったが、
そのかわりに、悪者を懲らしめる術を身につけた。
男のモノには、
いろいろな生き方があるものである。
|