KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百六拾・・・夏野菜

ぎ〜ぎ〜

「うう、かたいでございます」

ぎ〜ぎ〜ぎ〜

「なかなか出ませんね」

ぎ〜ぎ〜ぎ〜ぎ〜

「そうです!
 またいで梃子の原理を応用いたしましょう」

ぎ〜ぎ〜 び〜ん き〜〜〜〜〜〜ん!

「うお〜〜〜!」

錆びきったポンプで井戸の水を出そうとし、
強く押した反動で金玉を打って
のた打ち回っているのは、弟子の北小岩くんであった。

小林 「なんやお前、
 なぜ水を出さずに金玉を出してるんや」

褌で作業を行っていたため、
弟子のおいなりさんは、
見事にこんにちはをしている。

北小岩 「申し訳ございません。
 わたくし、一滴の水さえも
 送り出すことができませんでした」
小林 「しゃあない。
 今のお前の実力は、
 その程度であると
 知ることのほうが大事やな」
北小岩 「ありがたき幸せにございます」
小林 「素直なことが一番やな。
 それはそうとして、
 お前近頃、野菜食ったか?」
北小岩 「毎食、タダでもらった
 パンの耳でございますから、
 食しておりません」
小林 「俺もまったく同じや。
 そこで考えた。
 もうすぐ夏も終わりや。
 もしかすると、
 夏野菜が畑の脇に残っていて、
 それをタダでもらえるんやないかと」
北小岩 「さすがでございますね」
小林 「ほな行ってみよか」

二人は、股間をうちわであおぎながら、
町はずれの畑に向かった。

北小岩 「形のよくないものが、
 廃棄されておりますね。
 もったいないでございます。
 こんにちは。
 こちらの夏野菜をいただいても
 よろしいですか?」
畑で金玉を
かいていた
おじさん
「ああ、
 好きなだけ持ってっとくれよ」
北小岩 「ありがとうございます。
 不思議でございますね。
 トウモロコシみたいですが、
 毛の部分が陰毛のようでございます」
畑で金玉を
かいていた
おじさん
「それはチンモロコシだ。
 気をつけた方がいいぞ。
 毛が伸びて、
 君の陰毛と蝶結びになり、
 とれなくなるよ」
北小岩 「また、そんなご冗談を。
 あっ、チンモロコシと
 わたくしの毛が結びついてしまいました。
 いたたたた。
 チンモロコシが
 わたくしの毛を引っ張ったまま、
 宙にぶら下がっております!」

小林 「人の忠告を聞けんアホな男やな。
 むっ、これはなんや。
 まるでちんちん型のナスが、
 締め上げられているような形状や」
畑で金玉を
かいていた
おじさん
「万力ナスだよ。
 ぎりぎり締め上げるから、
 時にちんちんみたいな部分が
 ちぎれてしまう時があるよ」
小林 「大げさな男やな。
 たかがナスの一種やろ。
 そんなものでちぎれるかいな」
北小岩 「先生、おやめになられたほうが」

師はあろうことか、
ちんちんのような部分をとり、
万力型の部分に自分のイチモツを装着した。

小林 「日本男児を舐めるんやないで。
 むっ、思いの他強い力やな。
 こっ、これは!!」

ぶにゅ
小林 「うお〜〜〜〜〜〜!」

先生のやわなイチモツは、
万力ナスによってつぶされてしまった。
畑のわきの夏野菜を甘くみるような行動は、
くれぐれも慎んだほうがよいであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2011-08-28-SUN

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