パタパタパタ
ドドドドド
チーンチーンチーン
「いてて」
掃除中でありながら
意味もなく身体を反らせていたために、
先生の書棚から落ちてきた大量の本を、
金玉で受け止めてしまったのは
弟子の北小岩くんであった。
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北小岩 |
「しまったでございます。
この書棚は先生が
長年コレクションしたエロ本が、
ピサの斜塔のようになっているのでした」 |
想像していた通り、大量の本というのは、
えげつないエロ本群だった。
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北小岩 |
「それにしても、
よくここまでいやらしいものを。
世が世なら、所持しているだけで
打ち首となっていることでしょう」 |
コトコト
書棚にエロ本を戻す弟子であったが。
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北小岩 |
「あいたたた。
小林先生の事を考えておりましたら、
なぜか大便をしたくなってまいりました」 |
大便に限りなく近い男。
それが小林先生なのかもしれない。
バタン
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北小岩 |
「ふう」 |
トントン
誰かが戸を叩く音がする。
トントン
北小岩くんが返す。
トントン
トントン
トントン
トントン
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小林 |
「何やお前、
返し方があまりに普通やないか」 |
北小岩 |
「先生。と申しますと」 |
小林 |
「今、便所に入っている時のノック返しは、
どんどん進化しとるで」 |
北小岩 |
「そうなのでございますか。
わたくしが出ましたら、
ぜひご教示ください!」 |
ぶりりん
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北小岩 |
「はい、出ました」 |
小林 |
「便の素早さだけは、見事やな。
それはそうと、お前、
俺がトントンとノックしたら、
そのままトントンとやったやろ。
しかし、俺がこの間入った便所では、
もっと進んどったで」 |
北小岩 |
「と申しますと」 |
小林 |
「俺がトントンとやる。
そしたら
『シュッシュッシュッシュッシュッシュッ』
という音が返って来たんや」 |
北小岩 |
「それは何でしょうか?」 |
小林 |
「鰹節を削る音やな。
普通に返してもドアの前で待たれて、
プレッシャーがかかるやろ。
しかし、中で削る音がすれば
たいていの人間はその場を去るわな」 |
北小岩 |
「なるほど」
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小林 |
「後日そこに行き、
再びノックすると
今度は扇風機の音がしてな」 |
北小岩 |
「はい?」 |
小林 |
「ものすげ〜〜〜くせえ臭いが、
下の隙間から鼻を直撃したんや。
音で返さず、
すげ〜〜〜くせえ臭いで、
入っていることを知らしめたんやな」 |
北小岩 |
「・・・」
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今、トイレに異変が起きている。
みなさまも外出時、便意を催した際は
心してノックしてください。
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