KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百七拾壱・・・公衆トイレ

「短いでございます」

散歩中にいきなり
わけのわからないことを口走っているのは、
弟子の北小岩くんであった。

北小岩 「短いと言っても、
 先生の股間にぶら下がっている
 ブツのことではございません!」

まるで選挙演説でもしているかのように、
語調が強くなる。

北小岩 「もしかすると、
 わたくしが短いと思ったものは、
 先生のブツよりは長いのかもしれません!!」

もっとましな独り言がいくらでもあると思うのだが。

「こら!」

北小岩 「むっ、この声は。
 小林秀雄先生・・・」
小林 「お前、勝手に人の大切な所を話題にして、
 何かと比べとったな」
北小岩 「めっそうもございません。
 ただわたくしは、
 秋というものはほんとうに短くて、
 あっという間に冬になってしまうと、
 そうように思ったわけでございます」
小林 「それと俺がどう関係するんや」
北小岩 「ですから、秋が短いと言っても
 先生のイチモツよりは長いと・・・。
 はっ、申し訳ございません!」
小林 「秋の夜長という言葉もあるやろ!俺
 のはそれぐらい長いわ!!」

弟子が弟子なら師も師。
まったく会話に意味がない。

北小岩 「それはそうと、
 わたくし、近頃先生を見ると
 便意を催してしまうのでございます。
 あそこにちょうど
 公衆トイレがございますので、
 行ってまいります」
小林 「昔から頭のゆるい奴やったが、
 近頃加速度を増しとるな。
 それはそうと、
 俺も何だか便意を催してきたわ。
 仕方ない。弟子の隣の小部屋で用を足すか」

バタン

小林 「そういえばお前、
 やたらと便だけは高速やったな。
 もう済んだんか」
北小岩 「はい。
 そろそろ去ろうかと思います。
 あれっ?
 便座が両側に開いていく〜!」

ギーッ!

北小岩 「わー!」

ベチョ!

北小岩 「便座が両側にスライドして外れてしまい、
 そのまま自分の便の上に
 お尻が落ちてしまいました!」

小林 「何言っとるんや?先に出るで」

カラカラッ

シュッ

ジョリジョリジョリ

小林 「痛っ!
 紙の両面が、やすりになっとる。
 しかし、他に紙がないから、
 使うしかない!」

ジョリジョリジョリ

小林 「痛え!
 このままでは、ケツの穴が削れてしまう!
 しかし、他に紙がないから、
 使うしかない!」


ジョリジョリ

なぜこのような現象が起きたのか。
公衆トイレの主張に耳を傾けてみよう。

公衆
トイレ
「ここを使う奴らは、
 危機一髪で漏れそうな輩も多いのに、
 用が済むと感謝をしないのみならず、
 汚くして帰るんだよ。
 俺たちはそんな奴らに反撃しようと思って、
 いろいろ困らせてやってるんだ!」

公衆トイレの言い分にも一理ある。
今後、外出時に用を足す人たちは、
もっともっと公衆トイレに敬意を払って
使用するべきであろう。
自戒したい。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2011-11-13-SUN

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