パチンパチン
「今年も残すところ後二週間を切りましたね」
パチンコパチンコ
「わたくしの下の方の毛も、
今年が後二週間を切ったわけですから、
二週間分残して切りましょう」
寒空の下、訳の分からないことを口走りながら
陰毛を切っているのは、弟子の北小岩くんであった。
びゅー
その時一陣の風。
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北小岩 |
「むっ、何かが飛んできて、
隣家の木の枝に引っかかりました。
何かというのは、
多分商店街の
歳末くじ引き券でございましょう。
このチャンスを逃すわけには
まいりません」 |
隣家の木の枝は、
塀の上に立って手を伸ばせば届くのである。
弟子はハサミを置き、塀によじのぼった。
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北小岩 |
「やっぱりそうでございました。
しめしめ」 |
手を伸ばし、券をつかんだ刹那。
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隣家の
OL |
「何やってんのよ!
あっ、何出してんのよ!!」 |
OLはベランダに出ると、
とてつもなく長い物干し竿を持ち。
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隣家の
OL |
「そんな汚らわしいものは、
こうしてやる!」 |
キーン グサッ
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北小岩 |
「あれ〜〜〜!」
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ドタ
北小岩くんは陰毛を切っていたことを忘れて
塀に立ったために、その部分はむき身であった。
OLが突いた竿の先は鋭利であり、
竹槍で急所を貫かれる形となった。
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小林 |
「お前、何見苦しいナニを出しとるんや」 |
北小岩 |
「先生・・・。
わたくし、ぶざまとはいえ
抽選券を手に入れることができました」 |
小林 |
「ようわからんがようやった。
ほな、抽選しまひょ〜」 |
チンチンチン〜!!
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小林 |
「でかしたぞ、北小岩!」 |
悪運の強い弟子は、
見事に二人分の列車券をゲットした。
ガタンゴトン ガタンゴトン
二人を乗せた列車は、
どこか分らないところへ走り出した。
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小林 |
「なあ、北小岩。この列車の前方に、
列車の座席図が描かれた
電光掲示板がついとるな。
それに妙に意地悪そうな女が
たくさん乗っとらんか?」 |
北小岩 |
「確かに」 |
バーン
ドアを開けて車掌が入ってきた。
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小林 |
「切符を用意しとけ。検札や」 |
北小岩 |
「かしこまりました」 |
車掌 |
「それではチェックいたします」 |
北小岩 |
「車掌さん、
どうしてわたくしの股間に
分度器を当てるのですか?」 |
車掌 |
「列車の中でもっこりさせている
不埒な奴がいないか調べるんですよ。
はい、あなたは大丈夫ですね」 |
ピッ
車掌がリモコンのスイッチを押すと、
電光掲示板に角度0のチンチンが浮かび上がった。
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北小岩 |
「この列車変わってますね。
とはいえ、こんなところで
前を膨らませるような馬鹿は、
まさかいないでしょうね」 |
車掌 |
「げっ! なんだこいつは!!」 |
先生のブツを図っていた車掌が
怒りとともにスイッチを押した。
電光掲示板に角度90度のチンチンが浮かび上がった。
そして、極小と書かれたランプが点滅し始めた。
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小林 |
「いやな。
列車の揺れとイチモツが
ちょうどいい具合に呼応してしまい」
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意地悪な
女性A |
「何あの変態。極小のくせに」 |
意地悪な
女性B |
「どうせ使う機会ないんだから、
この場で打ち首、
いや、打ちチンにするべきよ」 |
先生は遠く離れた駅に到着するまで、
罵声を浴びせられた。
その列車はチン幹線。
結局何なのかはよくわからないが、
男にとっては物騒な存在であることだけは間違いない。
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