小林 |
「今年に入って
何かええことあったか?」 |
北小岩 |
「そうでございますね。
駄菓子屋さんでソースイカを
一本購入したのでございますが、
賞味期限が切れているという事で、
三本におまけしてくれたのです」 |
小林 |
「一番ええことが期限切れのイカかい。
しゃあないな。
とはいえ、俺も別にええことはない」 |
北小岩 |
「そうでございますか。
今年、何かいいことがあるのか、
占い師に見ていただきましょうか」 |
小林 |
「そんな金どこにある。
ここには、金の玉が4つあるだけや」 |
北小岩 |
「先ほど路地に何か落ちていないか
見まわっていたのですが、
占いのタダ券を
一枚拾ったのでございます」 |
色あせた紙には、『ちんちん占いタダ』と書かれていた。
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小林 |
「当然、気持ちええ思いをしながら
占われるんやろな。
俺がもらっとく。
ちょっくら行って来るわ」 |
快感を独占しようとした愚かな師が、
記された場所を訪れてみると。
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小林 |
「おっ、エラくべっぴんな占い師や!
ちんちん占い、頼むで〜〜〜」 |
べっぴんな
占い師 |
「それはお隣ですよ」 |
目を移すと、魔女のようなおばあさんが
台の後ろに座っていた。
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占いの
おばあさん |
「ここにちんちんを出すんじゃ〜!!!」 |
小林 |
「うっ」 |
占いの
おばあさん |
「早くせんか!」 |
あまりの迫力に気おされ、粗末なものを台の上に置いた。
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占いの
おばあさん |
「身動きがとれないように、
チン枷するんじゃ」 |
しぶる先生であったが。
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占いの
おばあさん |
「失いたいか!」 |
恐怖を感じ、固定したのであった。
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占いの
おばあさん |
「わしゃいろんな占いができるんじゃ。
まずは巨大水晶からいってみるわ」 |
台の上に鎮座する直径70センチの水晶を持ち上げる。
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占いの
おばあさん |
「これを通せば、
お前のちんちんの未来が見えるんじゃ」 |
小林 |
「重すぎるんやないか!」 |
占いの
おばあさん |
「そんなことはないわ。
わしゃ何十年もこの水晶で」 |
ツルッ
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占いの
おばあさん |
「あっ」 |
ゴンッ
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小林 |
「うぎょわ〜〜〜〜〜〜〜」 |
チン枷されたイチモツの上に落ちた。
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占いの
おばあさん |
「すまんすまん。つい手が」
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ゴトッ
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占いの
おばあさん |
「あっ、ロウソクが」 |
ボワッ
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小林 |
「あじ〜〜〜〜〜〜〜!」 |
台に立てられていたぶっといロウソクが倒れ、
身動きできない先生のイチモツに火がついた。
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占いの
おばあさん |
「わるいわるい。
しかし、
お前のちんちんの未来は見えたな。
火の車というこっちゃ。
わははは」
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先生のちんちんに未来などないことは、
最初からわかっていた。
それを確認するだけの作業になってしまったが、
払った代償は予想以上に大きかった。
めでたしめでたし。
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