「わたくしは、何のために
生まれてきたのでございましょう」
ニャー
「わたくしには、
これといった取り柄がございません」
ワン
「リーダーシップも皆無でございます」
ホケキョ
「しかし、何かできることはあるはずです」
ジャー
つぶやいているのは弟子の北小岩くんであるが、
つぶやき後の鳴き声その他は何だろう。
まず、猫に向かって話しかけた。
次に犬、そしてうぐいす。
ジャーというのは、立小便していた
おじいさんの小便に向かってである。
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北小岩 |
「果たしてそれは・・・」 |
バッ
キーン
「うっ!」
「ごめんなさい!」
橋の向こうとこちらで
キャッチボールしていた高校生の流れ球が、
弟子の金的を的確にとらえた。
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北小岩 |
「はっ!そうでございます。
橋でございます。
わたくし、自分が前面に立って
グイグイ引っ張っていくことは
できませんが、
人と人を結ぶ架け橋には、
なれそうな気がいたします!」 |
「お前、なぜ急所を握りしめて大声を出しとるんや」
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北小岩 |
「先生!
わたくしは今、
人々の架け橋になることを
決意いたしました」 |
小林 |
「そうか。
進歩が亀の頭の歩みだと思っとったが、
やっと何かをつかんだようやな」 |
北小岩 |
「しかし、
どうすればよいのかわからないのです」 |
小林 |
「三里ほど離れたところに、
一般とはかなり毛色の違う橋が
いくつか架かったそうや。
まずは観察してみるか」 |
二人はエロ以外の目的では珍しく、
目を輝かせながら橋に向かった。
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北小岩 |
「むっ、あれは何でございましょう。
極端すぎる太鼓橋でございます。
女性が滑り落ちてきます」 |
女性 |
「きゃ〜っ!
見ないで!!」 |
北小岩 |
「橋は超急斜面なのですが、
スカートがまくれた姿で、
途中で止まりました!
見ないでと言われると、
よけいに見てしまいます!!」 |
小林 |
「ボンド状のものが
仕掛けられているようやな」
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北小岩 |
「あちらは開閉橋です。
男たちが振り落とされました」 |
男たち |
「うお〜!」 |
北小岩 |
「橋が男たちの方に倒れ、
出っ張った部分で
金玉を打たれております!」
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人と人を結ぶ架け橋になる。
それは立派な志だろう。
しかし、こんな橋を参考にして、
立派な人物になれるとはとうてい思えない。
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