KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百九拾伍・・・チアボーイ

カーン!

ザザザザザッ!

ビューン!

バッ!

「アウト!」

ワーワー!

北小岩 「素晴らしい返球でございました!」
小林 「俺たちの100倍ぐらいの肩をもっとるな」

二人は社会人野球の観戦に興じている。
文無しの師弟であるが、
極度の暇人で年中散歩しているがゆえに、
町内では並ぶものがないほど顔が広い。
今回は、新聞配達をしている知人に、
とんでもなくえげつないエロ本を貸し出して、
チケットをもらったのである。

カーン!

北小岩 「あっ、先生。
 球が飛んできます。
 お気をつけください!」
小林 「何言うとるか。
 俺も小学生の頃は草野球で、
 二年間エラーせずに」

キーン!

小林 「うっ!」

弾丸ライナーが、金的にめり込んだ。

北小岩 「大丈夫でございますか」

大丈夫なわけはないだろう。

小林 「たっ、玉が割れてしまったかもしれん。
 それにしても、さっきから
 節目節目に登場するチアガール、
 いやらしいと思わんか」
北小岩 「そうでございますね。
 高校野球のチアガールは
 かわいい感じがしますが、
 この方たちは、
 妙な熟れ方をしている分、
 どうしてもエッチな感がいなめません」
小林 「そやろ。
 ここはひとつ発想を逆転させて、
 俺たちがあのチアガールに
 入るというのはどうや。
 エロええことがあるんやないか」
北小岩 「かなり無茶な話という気が
 いたしますが、
 一応聞いてみます。
 すみません、
 チアガールのリーダーさん、
 わたくしたちをチアボーイとして、
 仲間に入れていただくことはできますか」
チア
リーダー
「いいですよ。
 どうぞ」

なぜか二人は採用となった。

チア
リーダー
「ではまず、あなたからいきましょう。
 私たちはチアリーディングの大会にも
 出ているぐらいだから、
 得意技は空中での演技。
 タイミングが来たら、
 放るからがんばってね」
北小岩 「はっ、はい」

その時だった。

主審 「退場!」
チア
リーダー
「私たちの監督が退場させられた。
 今よ!」

ビューン!

北小岩くんは空高く放られた。
落下した場所は、グラウンドで退場を宣告するため
指を天に向けている主審の指先だった。

北小岩 「うわ〜!
 指がお尻の穴に入って、
 浣腸のようになりました!」

ボキッ

主審の指は重みに耐えきれず、
折れてしまったようだ。
チアリーダーは監督の退場処分に腹を立て、
北小岩くんを利用して復讐したのだ。

負傷のため主審が交代し、試合再開。

チア
リーダー
「次はあなたね。
 あっ、放るわよ!」


空中の先生の金的目がけて、
バッターが手をすべらせて投げてしまった
バットがうなりをあげる。

キーン!

ドタッ

先生はチアガールたちを、
バットから守ったのと引きかえに、
自分のバットと玉を破壊されてしまった。
先生の邪心が破壊されたというべきかもしれない。
 

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2012-04-29-SUN

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