「今日も何もやることがないな」
「そうでございますね」
「大金を使わずに楽しめることはないんか」
「確か今日は
『お祭りのない日のお祭り』が
開かれておりますね」
「そやな。
ちょいと店を冷やかしに行ってみるか」
先生の町では、
不定期にそのような訳のわからないお祭りが
開催され、道端に数軒露店が出るのだった。
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北小岩 |
「前回わたくしは
行きそびれてしまいましたが、
どのようなお店が
出ていたのでございますか」 |
小林 |
「そやな。
まず、干物屋が出とったな」 |
北小岩 |
「それはおいしそうでございますね」 |
小林 |
「ある意味おいしそうといえばいえるが、
そうでもないともいえるな」 |
北小岩 |
「先生にしては歯切れが悪いですね。
どういうことでございましょうか」 |
小林 |
「干物と言っても、アジやイワシやない。
そこにあったのは、
パンティやブラジャーの干物や」 |
北小岩 |
「なんと!」 |
小林 |
「代表的な作り方は、
使用済みのものを、
天日で何日も乾燥させるんや」 |
北小岩 |
「単に下着が干してある風景と、
かわらない気もいたしますが」 |
小林 |
「スケベな奴に盗まれる危険が
高まるというこっちゃ」 |
聞くに値しない話はこれぐらいにして、
先に進めよう。
露店の前へ行くと、顔を上気させた若い女性が。
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北小岩 |
「鞄の取っ手を持っているようですが、
なぜ上気なのでしょう」 |
店のおやじに聞いてみると。
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店の
おやじ |
「この取っ手は
ちんちん型になっていて、
空気を入れて自由に
長さと太さをかえられるんだよ。
ナンパする時は、
自分のちんちんと同じ長さ、
太さにして女の子に握らせ、
納得したらデートするというのが
暗黙のルールさ」 |
北小岩 |
「・・・」 |
小林 |
「こっちの鞄は、
腹のところが
キャッチャーミットになっとるな。
男はいきなりキャッチボールが
したくなる時があるから、
これは使えるな。
んっ? なんじゃこりゃ?
取っ手の部分が伸びるようになっとる
鞄がある」
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店の
おやじ |
「ひったくり防止のためさ。
俺が取っ手を持っているから、
鞄を強引に持って走ってみな」 |
何のことやら理解できなかったが、
先生は鷲づかみにすると全力疾走した。
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小林 |
「取っ手がゴムのように
何メートルも伸びるな」 |
店の
おやじ |
「もっと遠くまで!」 |
10メートルほど離れただろうか。
突然おやじが取っ手を離した。
グォーン!
取っ手の内側についた金色の砲丸が、
先生の睾丸を目指してうなりをあげた。
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小林 |
「やばい!」 |
キーン!
ドタッ
避ける間もなく、見事に睾丸を直撃。
先生は気を失い、何もやることがない1日は
静かに終わった。 |
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