小林 |
「どや、こないだの金環日食、
ばっちり見えたか」
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北小岩 |
「トライはいたしました」
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小林 |
「どういうこっちゃ」
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北小岩 |
「先生から観察用のメガネを
いただきましたね」
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小林 |
「そやな。
俺が知り合いの学習塾の塾長に交渉し、
エロ本2冊と交換したんやな」
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北小岩 |
「そのように貴重なものを
いただいておきながら、
大変申し訳ございません」
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小林 |
「寝坊でもしたか」
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北小岩 |
「目はぎらぎらに冴えておりました。
しかし、金環になる前に
慣れておこうと思いまして、
メガネをして歩く練習をしたのです」
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小林 |
「金環日食を見るのに、
メガネをかけて歩く必要は
ないと思うが」
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北小岩 |
「おっしゃる通りでございます。
歩くだけでは物足りなくなり、
走ったのでございます。
ところが前が見えなくて、
石につまずいてしまい」
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小林 |
「先まで聞かずとも展開がわかるな。
そのまま糞の上に倒れて、
メガネに糞がついたんやろ」
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北小岩 |
「そうなのでございます。
メガネがわたくしの目を
守ってくださったのですが、
糞がフィルターを覆ってしまい、
使い物にならなくなって
しまったのです」
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小林 |
「まあ、お前のために
貴重なエロ本を放出した俺が
馬鹿やったな。
一応言っとくが、観察用のメガネは、
糞から目を守るためではなく、
太陽の光から目を守るために
あるんやからな」
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北小岩 |
「おっしゃる通りでございます」
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小林 |
「過ぎたことをいつまで愚痴っても
らちがあかん。
俺の古くからの友人に、
宇宙についてやたらと
詳しい奴がおるから、
せめて金環日食の話しだけでも
聞いてみるか」 |
二人はどこかで拾ってきた缶詰の金色のフタで
急所にフタをして、
宇宙についてやたらと詳しい奴の家に向かった。
トントン
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小林 |
「入ってますか」
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宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴 |
「入ってますよ」
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北小岩 |
「どうもはじめまして。
わたくし、平安時代以来と言われる
金環日食を見損なってしまいました。
華麗なる宇宙ショーは、
いかがだったのでしょうか」
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宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴 |
「金環日食もいいけれど、
今宇宙では
大変なことが起きているんです」
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北小岩 |
「と申しますと」
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宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴 |
「あまり知られていないことですが、
宇宙にはとてもでかい人が
住んでいるんですね」
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北小岩 |
「はあ」
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宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴 |
「そのでかい人が、
太陽に小便をかけて
消そうとしてるんですよ」
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北小岩 |
「なんと!
そんなことになったら、
暗くなってしまうではありませんか」
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宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴 |
「当然、暗くなるだけでは
すまないでしょうね。
そして、流れ星を股間に入れて
臭くして、地球に星が接近した際に
とても臭い匂いがするようにしようと
企てているのですよ。
宇宙にいるいい人たちが
それを阻止しているのですが、
ほんとに彼らにがんばってもらうしか
ないですね」
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二人は地球に関わる最重要な話を耳にしたが、
何もできることはないだろう。
ともかく、臭い匂いには何とか
耐えられるにしても、
太陽に小便をかけるのだけはやめてほしい。
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