グーッ
「うう、お腹が減りましたでございます」
グイッ
「お腹を押しますと、
一瞬ではございますが、
空腹の世界から離れられます」
パン屋さんが旅行に出かけてしまったために、
主食であるパンの耳をもらえず、
お腹を鳴らしている弟子の北小岩くんであった。
チッチッチッチ〜
「すずめさんでございます。
虫さんを捕りましたね。
すずめさんもしばらく安泰でございましょう」
シュッ ポト
ぐにゅぐにゅ
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北小岩 |
「えっ?もしかすると」 |
チッチッチッ
すずめはニコッとしながら、飛び立っていった。
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北小岩 |
「わたくしがたまに、
なけなしのパンの耳を
差し上げていたことを覚えていて、
虫さんをくれたのでございますね。
食べることはできませんが、
そのお気持ちだけでとても・・・」 |
弟子の目から熱いものがこぼれた。
「お前、またいやらしいことを考えて、
目頭を熱くしとったな」
頓珍漢なセリフで登場したのは、
ご存知、恥垢先生であった。
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北小岩 |
「そうではございません。鳥さんが」
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小林 |
「鳥か。
そういえば、近頃
バードウォッチングをしとらんな。
バード業界にも、
新しい風が吹いとるかもしれん。
行ってみるか」 |
二人は羽ばたきながら、山に向かった。
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小林 |
「やっとるな。
そこの君、何の鳥を見ているのか、
俺にも見せたまえ」 |
先生は青年の双眼鏡を無理やり奪い取った。
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小林 |
「むっ!」
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北小岩 |
「いかがいたしましたか」
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小林 |
「若い女がミニスカートをまくり上げとる。
その秘所の部分に、
鳥の絵が描かれとるんや。
何か長い棒のようなものをくわえとるな」 |
ビュン
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青年 |
「危ない!」 |
小林 |
「えっ?」
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グサッ
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小林 |
「ううう!」
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北小岩 |
「どうしたのでございますか!」
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青年 |
「ここのバードウォッチングは
非常に危険なんです。
パンティバードを見た瞬間、
こちらの急所に向かって
毒矢が放たれるのです。
ですから盾が必携なのです。
この方は注意する間もなく
見てしまわれて・・・」
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その後先生の急所がどうなったかはわからない。
みなさまも、バードウォッチングする際は、
くれぐれもお気をつけあそばせ。
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