ピシッ
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小林 |
「うっ」 |
ピシッ
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小林 |
「うっ」 |
猛暑の最中、静寂を打ち破る音。
何が起きているのか。
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小林 |
「ありがとうございました。
交代や」 |
ピシッピシッ
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北小岩 |
「うぐっうぐっ」
ピシッピシッピシッピシッ
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北小岩 |
「うぐっうぐっうぐっうぐっ。
ありがとうございました」
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小林 |
「まだまだ!」 |
ピシッピシッピシッピシッ
ピシッピシッピシッピシッ
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北小岩 |
「あっ、ありがとうございました」
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小林 |
「まだまだ!」 |
ピシッピシッピシッピシッ
ピシッピシッピシッピシッ
ピシッピシッピシッピシッ
ピシッピシッピシッピシッ
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北小岩 |
「先生、ずるいでございます!」
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小林 |
「今日のところは、
ここまでにしとくか」 |
まぬけな師弟が何をしているかといえば、
暑さに耐えるために座禅を組み、
警策のかわりに蠅たたきを使い、
お互いに喝を入れあっていたのである。
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小林 |
「今年の暑さは、
喝だけではどうにもならんようや。
しゃあない、扇風機でも見に行くか」 |
先生宅にも扇風機はあることはあるのだが、
羽根が一本しかなく、
その羽根も2センチぐらいしか残っていないので、
役に立たないのである。
涼を求めて出向いた家電量販店には、
最新型の扇風機が並んでいた。
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店男 |
「いらっしゃいませ。
どのようなものをお探しで」 |
師弟は各自2円ずつしか持っていないので、
声をかけるだけ無駄なのだが。
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小林 |
「そやな。
セクシーなやつはどれや」 |
店男 |
「こちらなどいかがですか」 |
スイッチを入れるとアームがのび、
10メートル先にいたOLのスカートの下から
強風を送りこんだ。
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OL |
「いや〜ん!」
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小林 |
「ほほう。
なかなかのもんやな。
むっ、これはかなりエグそうや。
羽根が飛んでスカートやパンティを
切り切りするんやろ。
えい!」 |
ビュン
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店男 |
「あっ、それは!」 |
羽根は一瞬OLの方へ飛んだが向きをかえ、
ブーメランのように先生の股間を襲った。
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小林 |
「うぎゃ〜!」
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先生の股間は、切り切りされてしまった。
一服の清涼剤ともいえる出来事であった。
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