ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ
オーシンツクツク オーシンツクツク
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小林 |
「ツクツクボウシがおさかんやな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「今年もあっという間に
夏が終わったな」 |
ビュッ
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北小岩 |
「あっ、ツクツクボウシさんが、
低空飛行でこちらに向かってまいります」
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小林 |
「蝉もやっと、
俺たちの重要性に気づいたか」 |
シャッ
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北小岩 |
「先生に小便をかけて、
Uターンいたしました」 |
バタッ
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北小岩 |
「力尽きて、地面に落ちました」
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小林 |
「ううう」
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北小岩 |
「泣いてらっしゃるのですか」
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小林 |
「小便が目に入ったんや」 |
先生の目に小便をかけ、
地上での短い生を終えたツクツクボウシ。
立派な一生であったというべきであろう。
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小林 |
「蝉たちは去りゆくが、
まだまだ暑さは去りきっとらんな」
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北小岩 |
「名残惜しいのでございましょうか」
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小林 |
「わからんが、
隣町で『暑さよさらば』の会が
催されているはずや。
行ってみよか」 |
二人は氷屋さんにもらった氷の破片をパンツに入れ、
冷たさを動力として隣町に乗り込んだ。
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小林 |
「噂によると、
えらくスケベなお別れ方法を
やっとるらしいで」 |
「暑さよさらば!」
「わっしょいわっしょい!!」
ぶわっ
キャー!
「暑さよさらば!」
「わっしょいわっしょい!!」
ぶわっ
キャー!
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小林 |
「見ろ!
巨大なうちわに
ミニスカのねえさんが括りつけられとる。
褌姿の益荒男たちが、
うちわを持って扇ぐたびに丸見えや!」
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この町では若い女性の希望者を募り、
ミニスカ女性付きのうちわを扇ぐことで、
暑さに別れを告げるのだ。
ばんざーい!
あまりの景観に先生は両手をあげたが、
タイミングが悪かった。
過酷な作業をしなければならないうちわの希望者に、
立候補する形となってしまったのだ。
先生は黒いうちわに括りつけられ、
黒い褌をはかされた。
「スズメバチよさらば!」
「わっしょいわっしょい!!」
ぶわっ
うぉー!
「スズメバチよさらば!」
「わっしょいわっしょい!!」
ぶわっ
うぉー! |
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益荒男たちは、
先生付きの黒うちわを扇ぎながら、
軒下にあるスズメバチの巣を攻撃した。
怒ったスズメバチは、黒褌目がけて襲い掛かった。
スズメバチの逆襲により、
褌の下に棲息する悪の巣が退治されることとなった。
季節は実りの秋へ。 |