トトトトトトト
「門の外を何かが通りました」
ワン ワンワンワン
「どうやら子犬でございますね」
トトトト ちょこん
「わたくしのそばに来て、座りました」
ワン
「かわゆいでございます」
フリフリ
「こんなわたくしにも、
尻尾を振って下さるのですね」
子犬が自分に好意を寄せただけで、
大粒の涙をこぼしたのは、
弟子の北小岩くんであった。
トトトト ワンワンワンワン
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北小岩 |
「おや?
地面に向かって吠えております。
まさかここ掘れワンワンでは
ございませんね」 |
ザッザッザッザッ ワンワンワン
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北小岩 |
「間違いございません!
大判小判がざっくざくでございます」 |
ガタガタ
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小林 |
「戻ったで〜」
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北小岩 |
「あっ、先生。
そちらの方は?」
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小林 |
「考古学者やな。
なんでも、うちの庭に
とてつもなく価値が高いものが
埋まっとるらしい」
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北小岩 |
「そうでございますか。
実はこの子犬さまも、
それに気づいておられるようで
ございます」
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小林 |
「ともかく、
金目のものが出たら俺がもらい、
考古学的に価値のあるものが出たら
こいつにやることにしたんや」
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考古学者 |
「では掘りますね」 |
・・・それから数時間後
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考古学者 |
「むっ、これはもしかすると、
古代人女性が身に着けていた
下着のようなものかもしれません!」
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小林 |
「なに!
よこさんかい!!」 |
女性の下着と聞いただけで無用な興奮をした先生が、
匂いを嗅ぎだした。
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北小岩 |
「先生、その布のようなものには、
トメとマジックで書かれております。
五軒先に住んでいる、
トメばあさんの下着ではないでしょうか」
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小林 |
「うげ〜〜〜!」
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ザクザクザク
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考古学者 |
「こっ、これは。
古代人のちんちんの
化石かもしれません!」
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小林 |
「そんなものはいらん。捨てとけ」 |
ビュン
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小林 |
「うっ!」 |
どうしたことであろうか、
古代人のちんちんの化石がいきなり動き、
先生のズボンの裾から闖入。
パンツの中にもぐりこみ、
イチモツの横にくっついた。
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考古学者 |
「そうか。
このちんちんは、
満足することなく生を終えたものだな。
現代で、何とかいい思いをしようと
してるんだ」
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先生がもぎ取ろうとするのだが、無駄だった。
1本でも、使うことがないモノが2本になる。
世の中に、これほど無駄なモノはないであろう。
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