KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百弐拾伍・・・トレード

ひゅ〜

北小岩 「厳しいでございますね」

何が厳しいのであろうか。

北小岩 「隙間風が、寝ているわたくしの玉金を、
 なでていくのでございます」

薄い掛布団しかなく、それは破れている。

薄いパジャマしかなく、それは破れている。

薄いパンツしかなく、それは破れている。

薄い玉金しかなく、それは破れている。

いや、それはぼろぼろではあるが、
かろうじて破れていない。

ともかく万年書生の北小岩くんの部屋は、
壁がないに等しく寒風が吹き荒ぶ。
その風が、破れた掛布団から入り、
破れたパジャマとパンツを通過し、
玉金を直撃するのである。

北小岩 「これでは今年の冬を
 越せそうにございません。
 新聞紙を拾って、
 せめて玉金に当たる風だけでも
 防いだ方がよさそうですね」

弟子は、
できるだけキレイな新聞紙に巡り合うために、
隣町との境まで歩いた。
ここは、先生たちの住む町から吹く風と、
隣町から吹いてくる風がぶつかり、
捨てられて町を彷徨っている新聞紙が立つのである。

北小岩 「地面にべたっとついておりませんので、
 キレイなのでございますね。
 この新聞紙にいたしましょ。
 ほほう、
 野球界もストーブリーグに
 突入いたしましたね。
 大物選手のトレードも
 あるかもしれません」

小林 「お前、何をぶつぶついっとるんや。
 エロ新聞でも朗読しとるんかい」
北小岩 「あっ、先生。
 エロではなく、ストーブリーグが」
小林 「そのことか。
 今から俺たちも、隣町の奴らと
 ストーブリーグの話し合いを
 するところや」
北小岩 「トレードでもなさるのですか」
小林 「そうや。
 おっ、ストーブに火が入ったな」

文字通りストーブに点火すると同時に、
先生の町から、隣の町から続々人が集まってきた。

先生の
町の監督
「今回、俺たちの町では、
 モンスターサイズのイチモツの
 持ち主が一人欲しいな」
隣町の
監督
「そうか。
 俺たちは逆に、
 キングサイズの持ち主が二人欲しいんだ」
小林 「ほな、ブツを確かめさせてもらって、
 トレード成立やな」

モンスターサイズの男が隣町に移り、
キングサイズの男二人が先生の町に来た。

隣町の
監督
「次は玉金だな」
先生の
町の監督
「そういうことになるな。
 来年に向けて、
 玉に陰毛が獅子のたてがみの如く
 生えている奴が欲しいな」
隣町の
監督
「うちの町は、
 玉袋がなさけな〜くだらり〜んと
 垂れ下がった奴がいいな」
小林 「ブツを確かめさせてもらって、
 トレード成立やな」


玉に陰毛が獅子のたてがみの如く
生えている奴が隣町に移り、
玉袋がなさけな〜くだらり〜んと垂れ下がった奴が
先生の町にいった。

野球の場合、戦力を補い合うために、
またくすぶり気味の選手を活性化させるために、
トレードには意味があるだろう。
しかし、隣町同士でポコチンや玉金を基準に
トレードすることに、何の意味があるのかは謎である。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2012-11-25-SUN

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