小林 |
「油断しとったら、
正月が過ぎて数日たつな」
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北小岩 |
「仕方ございませんね」
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小林 |
「大みそかはヤバかったもんな」
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北小岩 |
「そうでございます。
まさかあのようなことになろうとは」
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小林 |
「療養生活を余儀なくされたからな」
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どういうことであろうか。
大みそかから新年を迎えるまでを再現してみよう。
・・・町のお寺にて・・・
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小林 |
「除夜の鐘の最前列やで」
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北小岩 |
「早くから並んだかいが
ございましたね」
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小林 |
「後10秒で2013年や」
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北小岩 |
「カウントダウンが始まりました。
あっ、お坊様が撞木を引きました」
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ビュン
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お参り
の人 |
「危ない!」
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ゴーン
撞木がはずれ、先生の玉を直撃。
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北小岩 |
「大丈夫でございますか!」
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小林 |
「う〜っ、
金玉があけましておめでと〜」
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玉が砕け悶絶した先生は、
撞木にブタの丸焼きのように括りつけられ、
お坊さんたちに家まで運ばれた。
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小林 |
「そんなこんなで、
やっと立ち上がれるようになったわな」
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北小岩 |
「ご無理はなさらないほうがよいですが」
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小林 |
「せっかくの正月や。
いつもの行事があるやろ。
行ってみるか」
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まだ玉が本調子とは言えない師は
弟子に支えられ、
玉に添え木をして河原に向かった。
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北小岩 |
「始まってますね」
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若い女性がパンティを脱ぎ、
それを竹ひごで作られた
四角状のものに貼りつけた。
紙の足をつけ。
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若い女性 |
「行きます!」
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凧糸を持ち、全力で走った。
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小林 |
「ほほう」
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北小岩 |
「ずいぶん高く揚がっていきますね」
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小林 |
「絶景といっても過言ではないな」
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先生の町の恒例行事なのであるが、
この時期パンティ凧揚げ大会が催されるのだ。
脱ぎたてのパンティを凧として
使用しなければならない。
なぜそのように恥ずかしい大会に
参加する女性が数多いるのかと言えば、
町が賞金として優勝者に
69万円を贈呈するからである。
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若い女性 |
「みなさ〜ん、私のパンティが、
一番高く揚がってますよね。
私が優勝したら、プレゼントしますよ」
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パチパチパチパチパチパチ
パチパチパチパチパチパチ
見物人は絶大なる拍手で応え、
髭の町長は満足そうにうなずいた。
しかし、こんなアホらしい凧揚げを、
町を挙げてすること自体、
どうにかしているであろう。 |