KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百参拾伍・・・節分

パラパラッ

「鬼は外!福は内!!」

バッ カリカリ ザザッ

「よし、次行くで」

「はい」

パラパラッ

「鬼は外!福は内!!」

バッ カリカリ ザザッ

「どや、俺の作戦はズバリやろ」

「さすがでございます!」

各家が豆まきをしている最中、
ひたすら怪しげな動きをしているのは、
小林先生と弟子の北小岩くんであった。

小林 「所持金が2円しかない
 俺たちにとって、豆は貴重な食料や」
北小岩 「そうでございます。
 豆をまく家の窓の下に潜んでいれば、
 かなりの確率でキャッチし、
 食することができますものね」
小林 「そうや。
 地面に落として
 鳥や虫にやることはないわ」


単に豆泥棒というだけの話しだろう。

小林 「そういや、
 今日はお呼ばれの日やったな」
北小岩 「そうでございます。
 行ってみましょう」

先生の町のはずれには森があり、
そこの秘密の門を入っていくと。

赤鬼 「待ってたおに〜」

鬼の家があった。
以前、師弟は豆をぶつけられ
外に追いやられる鬼を憐れんで、
一緒に下着泥棒やのぞきをしたことがあり、
それがきっかけで懇意な間柄となったのである。

小林 「今日は
 ええもん見せてくれるという話やが」
赤鬼 「これなんかいかがかおに〜」
小林 「むっ、鬼のエロ本や」
北小岩 「わたくし、初めて目にいたしました」
赤鬼 「エロ本の目利きの先生だけど、
 たまにはこういうのもいいでおに〜」
小林 「確かに人間とはひと味違うな」
赤鬼 「ささっ、どうぞおに〜」
小林 「おっ、悪いなあ」

師弟は熱燗をごちそうになる。
一升瓶を見ると『清酒 鬼満』と書かれている。

赤鬼 「金棒で叩いたスルメもあるおに〜」
北小岩 「いただきますでございます」


このように、鬼のエロ本を肴に酒をあおり、
節分を過ごす師弟っていったい何なのであろうか。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-02-03-SUN

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