KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百参拾六・・・健康診断

チュンチュン チュンチュン

小林 「爽やかな朝やな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「小鳥も楽しそうやな」
北小岩 「はい。そういえば、
 今日は年に一度の
 町の健康診断でございますね」
小林 「検便と検尿は必須やから、
 準備体操をしてのぞむか」

二人は四股を踏む体勢をとると。

小林 「う〜ん!」
北小岩 「こっこっこっ!」

にわとりのように前に進むのだった。
その後、気をつけの姿勢で。

小林 「し〜!」
北小岩 「こっこっこっ!」

後ろに向かってジャンプし、元の位置に戻るのだった。

小林

「ええ感じや。
 もう一度いくか」

北小岩 「はい。う〜ん!」

弟子が音頭をとろうとした刹那。

男A 「くそ〜!
 やられた!!」
男B 「くそ〜!
 お前もか。俺もだ」
小林 「どうしたんや」
男A 「あっ、先生。
 実はですね。
 健康診断の検便が
 5分後に締切じゃないですか」
北小岩 「そうでございますね。
 便と尿をその時間までに出さないと、
 診断を受けられません」
男B 「時間に間に合うように出して、
 採取しようとしたその時に、
 誰かが便所の戸をどんどん叩いて
 火事だ! とぬかしやがって、
 びっくりして流してしまったんですよ」
男A 「俺もそうなんです。
 出し切ってしまったから、すぐには出ない。
 だから、今年の診断を
 受けられなくなってしまいました」

女A 「シーット!
 私が尿を採取しようとした時に、
 誰かがのぞきだっ! て大声を出すから、
 思わず全部こぼして、
 採尿しそこなったわよ。
 私は一度出すとなかなか出ないから、
 もう間に合わないわ」
小林 「むっ、今あそこの角を
 怪しげな奴が曲がっていったな」
北小岩 「つかまえましょうか」
小林 「そや! ダッシュや!」

ダダッ!

小林 「もうあんなところにおる。
 凄まじい逃げ足やな。
 しまった!
 俺もお前も小も大も早便やが、
 締め切りまで後1分しかない!」
北小岩 「今から二つを同時に出したとしても、
 採取して持ち込んだら
 期限を過ぎてしまいます!」
小林&
北小岩
「ああ〜〜〜!」

結局師弟も診断を受けられなくなってしまった。
町の検便、検尿を阻止した奴はいったい誰なのか。
率直に言ってしまえば、誰でもいいし、
どうでもいいという気もする。

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2013-02-10-SUN

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