KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百参拾七・・・図書館

北小岩 「この本も読みました。
 この本も読みました」

先生の書棚を前に一人ごちたのは、
弟子の北小岩くんであった。

北小岩 「ここには膨大な書物がございますが、
 ほとんどはゴミの収集場所に
 出されていたものを拾ってきたか、
 あとはエロ本と交換したものでございます」

ホコリを被った書名部分を指でなぞる。

小林 「お前、なに朝っぱらから
 エロ本の話をしとるんや。
 相変わらず朝スケやな」
北小岩 「あっ、先生。朝スケというのは、
 何のことでございますか」
小林 「朝からスケベの略や」
北小岩 「あははは。
 さすが言葉の大家でございますね。
 先生は」

ゾッとするほどつまらない言い回しでも、
妖精のように笑ってくれる。
こんな弟子を持って、焦げ陰毛先生は幸せである。

北小岩 「実はわたくし、
 先生の蔵書をすべて
 読み切ってしまったのでございます」
小林 「そうか。
 俺とおんなじやな」

書棚のエゲツないエロ本以外、
ほとんど目を通していない。

小林 「たまには図書館でも行ってみるか」

二人は自分の玉を呼び鈴のように押し、
ピンポ〜ン! と叫ぶやダッシュ開始。

小林 「久しぶりやな。
 どや、様子は変わっとるか」
北小岩 「あそこをご覧ください」
小林 「むっ、どういうこっちゃ?」

貸出デスクの前に立札が設置され、
当たりorはずれと書かれている。

北小岩 「本に当たりはずれがあるようですね」
小林 「当たりというのは、
 気持ちのええ思いができるんやないか」

貸出係のおねえさんが、
今にもパンツが見えそうなスカートを
履いているところをみると、そうなのであろう。

「うう! 痛え!」
北小岩 「どうしたのでございますか」
「大はずれをひいちまった。
 本が俺の玉を挟んで、
 ギリギリ締めつけるんだ。
 このままだと玉が割れてしまう。
 ねえさん、何とかしてくれ!!」
ミニ
スカの
おねえ
さん
「仕方ないですね。
 本を解体します。
 でも、その本とても高価なんですよ」

定価のところに50万円と書かれている。

ミニ
スカの
おねえ
さん
「私どもは、
 お貸ししたままでも構いませんわよ」
「勘弁してくれ!
 わかった、今持ち合わせないけど
 必ず払うから!!」
ミニ
スカの
おねえ
さん
「ではこの借用書にサインをしてください」

男がサインすると、
おねえさんはミニスカで本に馬乗りの形をとり、
解除作業をした。

小林 「怪しげな作業が行われた気がしたな」
北小岩 「わたくしたちはどうしましょうか」
小林 「あいつが最悪をひいたんやから、
 大丈夫やろ。GOや!」

先生が思い切って本を取ると、
壁にある赤ランプが点灯し、屈強な男らが現れた。

小林 「なんや!」

あっという間に羽交い絞めにされ、
ズボンとパンツを下ろされると、
ブツを本で挟まれた。

小林 「ヤツと同じ運命をたどるんかい」
ミニ
スカの
おねえ
さん
「違います。
 その本のページは
 特殊な印画紙になっております。
 あなたの粗末なものが永遠に記録され、
 笑いものとして貸し出されます」

図書館には氏名、住所など、
先生の情報がストックされているので、
粗品が誰のものかすぐにわかってしまう。
先生は永久にこの町に、
恥部を記録されることとなった。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-02-17-SUN

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