KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百参拾八・・・仙人

北小岩 「ふぁ〜」
小林 「ぴりっとせんなあ」
北小岩 「身も心も、
 なまりきっておりますね」
小林 「このままでは、
 玉金に苔が生えてしまうで」
北小岩 「ご冗談を」

一応パンツの中をのぞくと。

北小岩 「むっ!
 苔が表面を覆っております」
小林 「だらしない奴やな。
 玉と言えば男にとっての砲丸や。
 そんなことで女性陣を喜ばせ・・・。
 むむっ!
 俺の玉も苔だらけや。
 盆栽のようになっとる!!」

最低な師弟である。そこには何の趣もないであろう。

小林 「『油断は金玉』という格言は、
 真実やったな」
北小岩 「気合をいれないと、
 わたくしたち、
 滅亡してしまうかもしれませんね」
小林 「そやな。
 あの方を訪ねてみるか」

あの方というのは、
町に住む仙人のことである。
町と言ってもはずれであり、
そこには険しい崖がある。

北小岩 「頂上にいらっしゃるのですね」
小林 「三点確保せんと危険やで」

珍しく真剣な表情で登り続け。
北小岩 「ふう、やっと着きました」
小林 「あかん、留守やな。
 岩に結び付けられた褌がたなびいとる」

もと来た崖を下りる。

北小岩 「広場の土管に
 座っていらっしゃいますね。
 町の若者が近づいていきます」
町の
若者
「仙人!
 弟子にしてください」

頭を大きく下げると、それ以上に頭を下げ。

仙人 「すまんな。
 わしは弟子はとらんのじゃ」
小林 「見ろ。
 断る時には、
 自分の方がさらに頭を垂れる。
 それが師の流儀や」
北小岩 「でも、若者が
 頭を地面にこすりつけて
 懇願しだしました。
 若者より頭を低くするのは、
 不可能なのでは」

仙人は土管の中にあったスコップで、
穴を掘り出した。

北小岩 「さすがでございます!
 穴に頭を入れて、断っております」

仙人 「ふう、
 やっと諦めてくれたようじゃ」

ぐにゅっ

仙人 「うわ!
 糞を踏んでしまっただ。
 ごめんなさい!
 今もとに戻しますから〜」

土管の後ろに隠れると、
大便をひりだした。
そして割り箸でつかむと、
踏んで崩れた糞の所に持っていき、
踏む前と同じ形に復元した。

小林 「見事や!」

先生と弟子が尊敬してやまない町の仙人。
果たして尊敬するに値する人物なのであろうか。

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2013-02-24-SUN

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