KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百参拾九・・・音

北小岩 「町の様子が
 変わった気がいたしませんか」
小林 「巨大スピーカーが設置されとるな」
北小岩 「胸騒ぎがいたします」
小林 「むっ、なんやあいつは」
北小岩 「長い棒のようなものを
 持っております。
 異人さんのようでございます」
小林 「棒高跳びでもやるんかい」
北小岩 「先にマイクがついております。
 あっ、道行く女性のお尻の部分に
 持っていきました」

『ぶお〜〜〜ん!』

女性 「いや〜ん。
 はずかし〜〜〜」
小林 「巨大なスピーカーは、
 隠蔽された音を拡大するために
 設置されたんやな」

北小岩 「それにしても何者なのでしょう」
小林 「マイクをごっついやつに替えたで」
北小岩 「ウォーキングしている男性の股間に
 当てました」

『むくむくむく しゃき〜〜〜ん ぼっき〜〜〜ん』

小林 「どうやら、
 いやらしい想像をしながら
 歩いとったから、
 屹立させてしまったようやな」

北小岩 「しかし、
 そのようなデリケートな音まで
 拾われてしまうなんて・・・」
小林 「貴様はいったい何もんや?」

「僕は音の番人、
 ミスター・マイクっていうんだよ」

小林 「インチキ臭い名前やな」
北小岩 「先ほどの男性の音ですが」
ミスター
・マイク
「ああ、彼か。
 町を歩きながら
 股間を膨らませるなんて、
 不届き千万だと思って
 マイクを向けたんだよ」
北小岩 「イチモツがそのような状態になる人と
 ならない人がいらっしゃると
 思います。
 歩いているだけなら、
 むしろ平常な方が多いと思われますが、
 どのように目をつけたのですか」
ミスター
・マイク
「僕はね、どんな微かな音でも
 聞き分けられる耳を持っているんだよ。
 イチモツはデカくなる時、
 微妙な声を出すんだよ」
北小岩 「そうなのでございますか」
小林 「どんな声を出すんや」
ミスター
・マイク
「そうだな。
 いろんなケースがあるけど、
 『ウハウハ』って
 口走ることが多いかな」
小林&
北小岩
「・・・」

ほんとうであろうか。
ともかく、人が誤魔化したいと思う音を拾われて
町中に流されてしまう。
敵に回したら怖ろしい男であることだけは、
間違いないであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-03-03-SUN

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