北小岩 |
「町の様子が
変わった気がいたしませんか」
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小林 |
「巨大スピーカーが設置されとるな」
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北小岩 |
「胸騒ぎがいたします」
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小林 |
「むっ、なんやあいつは」
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北小岩 |
「長い棒のようなものを
持っております。
異人さんのようでございます」
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小林 |
「棒高跳びでもやるんかい」
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北小岩 |
「先にマイクがついております。
あっ、道行く女性のお尻の部分に
持っていきました」
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『ぶお〜〜〜ん!』
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女性 |
「いや〜ん。
はずかし〜〜〜」
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小林 |
「巨大なスピーカーは、
隠蔽された音を拡大するために
設置されたんやな」
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北小岩 |
「それにしても何者なのでしょう」
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小林 |
「マイクをごっついやつに替えたで」
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北小岩 |
「ウォーキングしている男性の股間に
当てました」
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『むくむくむく しゃき〜〜〜ん ぼっき〜〜〜ん』
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小林 |
「どうやら、
いやらしい想像をしながら
歩いとったから、
屹立させてしまったようやな」
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北小岩 |
「しかし、
そのようなデリケートな音まで
拾われてしまうなんて・・・」
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小林 |
「貴様はいったい何もんや?」
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「僕は音の番人、
ミスター・マイクっていうんだよ」
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小林 |
「インチキ臭い名前やな」
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北小岩 |
「先ほどの男性の音ですが」
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ミスター
・マイク |
「ああ、彼か。
町を歩きながら
股間を膨らませるなんて、
不届き千万だと思って
マイクを向けたんだよ」
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北小岩 |
「イチモツがそのような状態になる人と
ならない人がいらっしゃると
思います。
歩いているだけなら、
むしろ平常な方が多いと思われますが、
どのように目をつけたのですか」
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ミスター
・マイク |
「僕はね、どんな微かな音でも
聞き分けられる耳を持っているんだよ。
イチモツはデカくなる時、
微妙な声を出すんだよ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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小林 |
「どんな声を出すんや」
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ミスター
・マイク |
「そうだな。
いろんなケースがあるけど、
『ウハウハ』って
口走ることが多いかな」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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ほんとうであろうか。
ともかく、人が誤魔化したいと思う音を拾われて
町中に流されてしまう。
敵に回したら怖ろしい男であることだけは、
間違いないであろう。 |