KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百四拾弐・・・こちょこちょ

尻子玉を抜かれたが如く、呆けた男がひとり。
庭の低木に話しかけている。

北小岩 「厳しい冬に耐え、
 新芽を吹いたのでございますね」

弟子の目から、熱い雫が滴り落ちた。

北小岩 「わたくし、あなたのことを
 自然界の師と仰ぎたいと・・・」

こちょこちょ

女性A 「きゃはは~」

こちょこちょ

女性B 「苦しい~~~。
 もうやめて~~~」
北小岩 「うら若き女性が
 助けを求める声がいたします。
 駆けつけねば」

ビュン

一歩目を踏み出す前に、何者かに追い抜かれた。

北小岩 「正義の味方でございましょうか。
 微妙でございます。
 なぜならば、極度にいやらしい
 邪気のようなものを感じたからです。
 この方は機に乗じて
 卑猥なことをしかねません。
 お待ちなさい!」
小林 「なんや!」
北小岩 「あっ、先生でしたか」
小林 「おなごの叫びが聞こえたやろ」
北小岩 「そうでございます」
小林 「俺が止めずに誰が止める。
 おい、こら!
 そこでスケベなことをしとるヤツ。
 俺も混ぜろ!
 おっと、間違えた。
 止めんかい、われ~~~!」
女性A 「何言ってんのよ。
 この人のこちょこちょは
 とても気持ちいいのよ」
女性B 「何でもこちょこちょで
 笑わすことができる
 偉大な方なんだから」
小林 「お前ら洗脳されとるな。
 目を覚まさんかい」

先生が気色ばんだその時。

ぷぅ~~~~~

北小岩 「申し訳ございません。
 屁をこいてしまいました」

ザッ

こちょこちょ

「うひょひょひょひょ~~~い」

北小岩 「むっ!」

弟子が「むっ!」と声をあげたのもむべなるかな。

こちょこちょ男が北小岩くんの後ろに回り込み
屁をくすぐると、屁が笑い転げたのである。

北小岩 「わたくし、屁が笑うところを
 生まれて初めて拝見いたしました」

女性B 「こちょこちょさんの技量は、
 そんなもんじゃないわ」

ダダッ

小林 「あいつ、
 ガスタンクをこちょこちょし始めたで」
ガスタンク 「うはははは~~~」

ゴロンゴロン

小林&
北小岩
「うわ~~~!」

ぺしゃん

くすぐったさに耐え切れず、
ガスタンクが転がり出したのだ。
先生と弟子は下敷きになり、つぶれた。

こちょこちょ男・・・。
敵に回したくないことだけは確かである。

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2013-03-24-SUN

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