ギューン
先生の住む町では、
郵便屋さんが全力でペダルをこぐ。
「先生に郵便です!」
キキー!(ブレーキ音)
ガーン!(先生宅の門に激突音)
キーン!(自転車に玉をぶつける音)
先生の住む町では、
郵便屋さんが全力で金玉をぶつける。
|
北小岩 |
「大丈夫でございますか」
|
郵便屋
さん |
「あっ、北小岩さん。
はい、郵便。
金玉以外大丈夫ですので、
ご心配なく」
|
北小岩 |
「わたくし、そのことに関して
あなたさまのお役に立つことが
何もできませんが、
つぶれていないことだけを
股間の神様にお祈りいたします」
|
郵便屋
さん |
「ありがとう!」
|
郵便屋さんは再び自転車にまたがり全力で走った。
69軒ほど先で再びしこたま、
玉を打つことになるのだが。
|
北小岩 |
「何のハガキでございましょうか。
ふむふむ。
政党の演説会でございますね。
え〜と、
『近頃日本男児は、己の磨き方が甘い!
本気で磨いて、海外から尊敬される
黄金の国ジパングを復活させよ!』。
随分強いアジテーションでございますね。
『追伸・うれしい副作用として、
女がウハウハ』」
|
小林 |
「会場に行こか」
|
いつの間にか先生が弟子の真後ろにいた。
追伸に素早く反応したのである。
二人が会場に駆けつけると。
|
北小岩 |
「熱気むんむんでござますね」
|
小林 |
「熱気むんむんというよりも、
イカ臭気むんむんな気がするで」
|
北小岩 |
「壇上にいらっしゃる方が、
演説を始めました」
|
壇上の
男 |
「日本男児も己を極限まで磨くことだ。
黄金の国ジパング、再び!」
|
北小岩 |
「申し訳ございません。
ひとつ質問させていただいても
よろしいでしょうか」
|
壇上の
男 |
「よし。
ぶらぶらといけ!」
|
北小岩 |
「磨くことが大切なのはよくわかります。
しかし、黄金の国とは
どういうことですか。
比喩でございますか」
|
壇上の
男 |
「比喩なもんか。
俺たちは
『玉磨党(たまみがきとう)』だ。
全党員壇上へ!」
|
党員
たち |
「たま!!」
|
檀上の
男 |
「じゃあいくぞ、
俺たちの党の公約だ。
黄金の国、ジパング復活!」
|
党員
たち |
「黄金の国、ジパング復活!」
|
男と党員らはズボンとパンツを同時に下ろすと、
金玉をむんずとつかんでこちらに向けた。
ピカピカピカピカピカピ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
|
北小岩 |
「うわ〜〜〜、
まぶしいでございます!」
|
小林 |
「太陽を直視してしまった時と同じや!
目がくらんだわ。
確かに外国人が見たら、
黄金の国と思うやろ!」
|
壇上の
男 |
「どうだ、わかったか。
金玉は金の卵、
極限まで磨けばこうなるのだ。
お前らも全員、玉を出せ!
そしてひたすら磨くんだ!
研磨隊出動!」
|
研磨隊
員たち |
「たまたま〜!!」
|
ブオ〜ン!
会場の客全員がズボンを下ろされ、
凄まじく強力な電動玉磨き機で磨かれた。
|
会場の
客&
小林
先生&
北小岩
くん |
「うぎゃ〜〜〜!」
|
壇上の男 |
「この過酷な研磨に
耐えられた者のみが、
党員になれる」
|
男は満足そうにうなずくのだが、
誰も党員になりたいとは言っていないし、
政党と言うには玉磨党は
イカくさ過ぎるのが玉にきずである。 |