KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百伍拾・・・政党

ギューン

先生の住む町では、
郵便屋さんが全力でペダルをこぐ。

「先生に郵便です!」

キキー!(ブレーキ音)

ガーン!(先生宅の門に激突音)

キーン!(自転車に玉をぶつける音)

先生の住む町では、
郵便屋さんが全力で金玉をぶつける。

北小岩 「大丈夫でございますか」
郵便屋
さん
「あっ、北小岩さん。
 はい、郵便。
 金玉以外大丈夫ですので、
 ご心配なく」
北小岩 「わたくし、そのことに関して
 あなたさまのお役に立つことが
 何もできませんが、
 つぶれていないことだけを
 股間の神様にお祈りいたします」
郵便屋
さん
「ありがとう!」

郵便屋さんは再び自転車にまたがり全力で走った。
69軒ほど先で再びしこたま、
玉を打つことになるのだが。

北小岩 「何のハガキでございましょうか。
 ふむふむ。
 政党の演説会でございますね。
 え〜と、
 『近頃日本男児は、己の磨き方が甘い!
  本気で磨いて、海外から尊敬される
  黄金の国ジパングを復活させよ!』。
 随分強いアジテーションでございますね。
 『追伸・うれしい副作用として、
  女がウハウハ』」
小林 「会場に行こか」

いつの間にか先生が弟子の真後ろにいた。
追伸に素早く反応したのである。
二人が会場に駆けつけると。

北小岩 「熱気むんむんでござますね」
小林 「熱気むんむんというよりも、
 イカ臭気むんむんな気がするで」
北小岩 「壇上にいらっしゃる方が、
 演説を始めました」
壇上の
「日本男児も己を極限まで磨くことだ。
 黄金の国ジパング、再び!」
北小岩 「申し訳ございません。
 ひとつ質問させていただいても
 よろしいでしょうか」
壇上の
「よし。
 ぶらぶらといけ!」
北小岩 「磨くことが大切なのはよくわかります。
 しかし、黄金の国とは
 どういうことですか。
 比喩でございますか」
壇上の
「比喩なもんか。
 俺たちは
 『玉磨党(たまみがきとう)』だ。
 全党員壇上へ!」
党員
たち
「たま!!」
檀上の
「じゃあいくぞ、
 俺たちの党の公約だ。
 黄金の国、ジパング復活!」
党員
たち
「黄金の国、ジパング復活!」

男と党員らはズボンとパンツを同時に下ろすと、
金玉をむんずとつかんでこちらに向けた。

ピカピカピカピカピカピ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

北小岩 「うわ〜〜〜、
 まぶしいでございます!」

小林 「太陽を直視してしまった時と同じや!
 目がくらんだわ。
 確かに外国人が見たら、
 黄金の国と思うやろ!」
壇上の
「どうだ、わかったか。
 金玉は金の卵、
 極限まで磨けばこうなるのだ。
 お前らも全員、玉を出せ!
 そしてひたすら磨くんだ!
 研磨隊出動!」
研磨隊
員たち
「たまたま〜!!」

ブオ〜ン!

会場の客全員がズボンを下ろされ、
凄まじく強力な電動玉磨き機で磨かれた。

会場の
客&
小林
先生&
北小岩
くん
「うぎゃ〜〜〜!」

壇上の男 「この過酷な研磨に
 耐えられた者のみが、
 党員になれる」

男は満足そうにうなずくのだが、
誰も党員になりたいとは言っていないし、
政党と言うには玉磨党は
イカくさ過ぎるのが玉にきずである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-05-19-SUN

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