KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百伍拾伍・・・踏まれる

しとしと

北小岩 「雨でございます」
小林 「どうも今年は梅雨がパッとせんな」
北小岩 「もっと雨乞いをしたほうが、
 よろしいのでございましょうか」
小林 「その考えに落とし穴があるな」
北小岩 「そうでございますか」

「雨さん、もっと降って!」

北小岩 「向こうで幼子が、
 雨さんに声を掛けておりますが」
小林 「甘いな。
 自分の乳首に指を当てて、
 雨が何を言われたらうれしいか
 考えてみい」
北小岩 「あっ!」
小林 「わかったか」
北小岩 「はい!」
小林 「ほな、
 天に向かって大声だしてみい!」
北小岩 「雨さん!
 あなたのおちんちんは、
 とても大きいです!!」
小林 「ええやないか!
 たたみかけていこか!!」

北小岩 「雨さん!
 あなたのおちんちんは、
 トーテムポールも
 びっくりでございます!!」
小林 「その調子や!」
北小岩 「雨さん!」

ジャバ〜〜〜ン!

北小岩 「いきなり豪雨が!!」

「お前らでっけえ声で
 ちんちんがどうしたのと
 わめいてるんじゃねえよ!
 小さい子どもだって聞いてるだろ!」

アパートの二階から、
良心的な人がバケツで水をかけただけであった。

小林 「しゃあない、場所をうつすか」
北小岩 「そうでございますね」

その刹那。

とある
「うわ〜〜〜っ!」

ジャバ〜〜〜ン!

小林 「どうしたんや」
北小岩 「わたくしと同じように、
 雨のおちんちんをほめちぎって
 水を浴びせられたのかもしれません」
とある
「そうじゃありませんよ。
 突然、糞に頭を踏まれたのです。
 それを見ていた二階の人が、
 水をかけて流してくれたのです」
小林 「どういうこっちゃ」
流され
た糞
「この人は、自分の不注意で年中、
 私たちを踏むんですよ。
 そのたびにクソッ!
 と憤るのですが、
 私たちにすれば踏まれた上に蔑まれ、
 たまったもんじゃありません。
 ですから踏まれ仲間たちと
 組合をつくって、
 みんなでくっついて大きくなって、
 この人の頭を踏んだのです。
 そうしたら水で流され・・・。
 さようなら」

糞は完全に流れていった。
確かに人は、糞、犬の尻尾、体重計など、
様々なものを踏んで過ごしている。
時に彼らが徒党を組んで猛反発しても、
仕方がない気もする。
しかし、冷静に考えてみれば、
冷静に考えるほどのことではないことに
気づくであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-06-23-SUN

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