庭で体育座りをし、
働きアリを眺めている弟子の北小岩くん。
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北小岩 |
「一生懸命働いていらしゃいますね。
なのに、わたくしは・・・。
わたくしは・・・」
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魂の抜け殻になっているのである。
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北小岩 |
「このまま時を
費やしていくのでございましょうか」
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小林 |
「どないした。
古代人女性の秘所の化石でも
埋まっとるんか」
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どんな時でも価値のないことしか言わない
師匠がやって来た。
さすがに小水しきった、もとい、
憔悴しきった弟子の様子に気づき。
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小林 |
「何があったんや。
うかない顔しとるやないか」
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北小岩 |
「わたくし、社会人として
何も役に立っていないのではないかと
思いまして」
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小林 |
「そうか。
まあ、簡単に言ってしまえばそやろ」
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北小岩 |
「やはり・・・」
さらに肩を落とす弟子を見て。
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小林 |
「まあ、
役に立つことがええとは限らん。
便所虫を見てみい。
彼らが我々にとって役に立っとるか」
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北小岩 |
「直接的には思い浮かびません」
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小林 |
「そやろ。
しかし、彼らがいなかったら、
何か物足りないような気がせんか」
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北小岩 |
「確かにそんな気はいたします。
とはいえ、わたくし、
あまりうれしい心持もいたしません」
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小林 |
「それも一理あるな。
ともかく前に進むことが肝心や」
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北小岩 |
「と申しますと」
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小林 |
「隣の隣の隣町には、
様々な仕事についている奴らがおる。
お前が今後世の中の役に立つための
一助になるかもしれん。
ほな、社会科見学に行ってみよか」
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二人は卑猥な唄を歌いながら、
隣の隣の隣町に向かった。
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小林 |
「まずは広場に行ってみよか」
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そこで弟子が目撃したものは。
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北小岩 |
「むっ!
巨大なおちんちんの塔が
建っております」
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ぎ〜こ〜 ぎ〜こ〜
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北小岩 |
「塔が伸びだしました」
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小林 |
「あそこで金玉型のハンドルを
回しとる奴がおるやろ。
奴は
『ちんちん伸ばし師』といってな、
町の大勢のイチモツが
伸びていると判断したら、
あのように広場のちんちんを
伸ばすんや」
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北小岩 |
「なんと!」
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小林 |
「朝は確実に伸ばすな。
夜もエッチなことに
いそしんどる奴が多いから伸ばすな」
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北小岩 |
「『ちんちん伸ばし師』・・・。
意表をつくお仕事で、
世の中の役に立っている方が
いらっしゃるのでございますね」
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ぷ〜〜〜〜! ぶぶ〜〜〜!!
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北小岩 |
「今の音は何でございましょうか」
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小林 |
「屁師やな」
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北小岩 |
「屁師?」
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小林 |
「誰かがすかしっ屁をするやろ。
そばにおる奴が気づかんと、
誤って深呼吸して、
肺まで屁が入ってしまう
恐れがあるやろ。
だから、彼は誰かが屁をこいた時に、
自分の手に口をあてて、
屁のような音を出して知らせるんや」
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北小岩 |
「鍛えると、
手屁であそこまで
巨大な音が出せるのですね」
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弟子に世の中に役立つことのなんたるかを
教えようとした師匠。
ちんちん伸ばし師や屁師が
どれほど役に立っているかは、
疑問のある方もいらっしゃるであろう。 |