KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百六拾七・・・仕事

庭で体育座りをし、
働きアリを眺めている弟子の北小岩くん。

北小岩 「一生懸命働いていらしゃいますね。
 なのに、わたくしは・・・。
 わたくしは・・・」

魂の抜け殻になっているのである。

北小岩 「このまま時を
 費やしていくのでございましょうか」
小林 「どないした。
 古代人女性の秘所の化石でも
 埋まっとるんか」

どんな時でも価値のないことしか言わない
師匠がやって来た。
さすがに小水しきった、もとい、
憔悴しきった弟子の様子に気づき。

小林 「何があったんや。
 うかない顔しとるやないか」
北小岩 「わたくし、社会人として
 何も役に立っていないのではないかと
 思いまして」
小林 「そうか。
 まあ、簡単に言ってしまえばそやろ」
北小岩 「やはり・・・」

さらに肩を落とす弟子を見て。
小林 「まあ、
 役に立つことがええとは限らん。
 便所虫を見てみい。
 彼らが我々にとって役に立っとるか」
北小岩 「直接的には思い浮かびません」
小林 「そやろ。
 しかし、彼らがいなかったら、
 何か物足りないような気がせんか」
北小岩 「確かにそんな気はいたします。
 とはいえ、わたくし、
 あまりうれしい心持もいたしません」
小林 「それも一理あるな。
 ともかく前に進むことが肝心や」
北小岩 「と申しますと」
小林 「隣の隣の隣町には、
 様々な仕事についている奴らがおる。
 お前が今後世の中の役に立つための
 一助になるかもしれん。
 ほな、社会科見学に行ってみよか」

二人は卑猥な唄を歌いながら、
隣の隣の隣町に向かった。

小林 「まずは広場に行ってみよか」

そこで弟子が目撃したものは。

北小岩 「むっ!
 巨大なおちんちんの塔が
 建っております」

ぎ〜こ〜 ぎ〜こ〜

北小岩 「塔が伸びだしました」
小林 「あそこで金玉型のハンドルを
 回しとる奴がおるやろ。
 奴は
 『ちんちん伸ばし師』といってな、
 町の大勢のイチモツが
 伸びていると判断したら、
 あのように広場のちんちんを
 伸ばすんや」
北小岩 「なんと!」
小林 「朝は確実に伸ばすな。
 夜もエッチなことに
 いそしんどる奴が多いから伸ばすな」
北小岩 「『ちんちん伸ばし師』・・・。
 意表をつくお仕事で、
 世の中の役に立っている方が
 いらっしゃるのでございますね」

ぷ〜〜〜〜! ぶぶ〜〜〜!!

北小岩 「今の音は何でございましょうか」
小林 「屁師やな」
北小岩 「屁師?」
小林 「誰かがすかしっ屁をするやろ。
 そばにおる奴が気づかんと、
 誤って深呼吸して、
 肺まで屁が入ってしまう
 恐れがあるやろ。
 だから、彼は誰かが屁をこいた時に、
 自分の手に口をあてて、
 屁のような音を出して知らせるんや」
北小岩 「鍛えると、
 手屁であそこまで
 巨大な音が出せるのですね」

弟子に世の中に役立つことのなんたるかを
教えようとした師匠。
ちんちん伸ばし師や屁師が
どれほど役に立っているかは、
疑問のある方もいらっしゃるであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-09-15-SUN

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