69メートル先から、何の緊張感もなく、
くだらない雰囲気を漂わせた二人が歩いてくる。
派出所に近づくと。
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小林 |
「よう」
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北小岩 |
「いつもご苦労さまでございます」
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警官 |
「あっ、
先生と北小岩さんじゃないですか」
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小林 |
「元気にやっとったか」
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警官 |
「はい。
去年のクリスマスに、
派出所の
『町のみなさまからの意見箱』に
貴重なエロ本を入れていただき、
ありがとうございました」
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小林 |
「ばれとったか」
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警官 |
「当たり前ですよ。
そんなことする人、
先生以外にいないじゃないですか」
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小林 |
「いつも町の方々が
お世話になっているんやから
当然や」
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警官 |
「それにしても、
私も以前違法なエロ本の
取り締まりをしていたことが
あるのですが、
あそこまでエゲツない逸品は
初めてですね。さすがです」
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小林 |
「そこまで褒められると、
俺もこそばゆいわな」
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小林&
北小岩
&警官 |
「あはははははは」
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先生もゆるんだ褌のような存在なのだが、
この町は警察官もゆるゆるなのである。
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警官 |
「ところで先生、
近頃町の人々に悪さをしている
当たり屋をご存知ですか」
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小林 |
「噂には聞いとるな」
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北小岩 |
「当たり屋というのは、
わざと交通事故を起こして
お金をとろうとする人のことですか」
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小林 |
「それが、ちょっとタイプが違うんや」
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警官 |
「もし見つけましたら、
お知らせくださいね」
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小林 |
「そうするわ」
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北小岩 |
「わたくし、
まったく知りませんでした。
なにやら物騒でございますね」
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「危ない!」
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北小岩 |
「あっ、ビル工事の方が
三階から金槌を落としました!」
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ザザーッ
キーン!
「うう。痛ってえ!
確実に金玉がつぶれたな。
損害賠償1000金玉万円だ!!」
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ビル工事
の方 |
「そんな〜、
あなたわざと落下点に
すべりこんだでしょう!」
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「お前、人の金玉つぶした上に、
責任逃れするのか!」
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ビル工事
の方 |
「・・・」
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ポーン!
「そっちにボールがいったから気を付けて!」
ザザーッ
キーン!
「うう。痛ってえ!
確実に金玉がつぶれたな。
損害賠償2000金玉万円だ!!」
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ママさん
バレーの
方 |
「そんな〜、
あなたわざと落下点に
すべりこんだでしょう!」
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「お前、人の金玉つぶした上に、
責任逃れするのか!」
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ママさん
バレーの
方 |
「・・・」
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小林 |
「北小岩、呼んでこいや」
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北小岩 |
「はい」
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すぐにエロ本好きの警官が駆けつけた。
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警官 |
「やっと見つけたな。
逮捕だ!」
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警官は当たり屋に飛びかかると、
ズボンとパンツを同時に下げ、
二つの金玉に手錠(金錠)をかけた。
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警官 |
「先生、北小岩さん。
ついにやりました!
ありがとうございます!!」
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小林 |
「うむ」
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先生の的確な判断により、
無事当たり屋はお縄となった。
あなたの町にも、故意に金玉に何かを当てて
高額な慰謝料をとろうとする不届き者が
現れるかもしれません。
ご注意ください。 |