KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百八拾四・・・成人

とんとん かんかん

わっせわっせ

「そこの看板、もう少し上げてくれ」

「わかりました」

つるっ

「しまった!」

き〜ん!

「ううっ」

どういう事態なのか、冷静に分析してみよう。

成人の日に向けて業者が、
『成人式』と書かれた大看板を、
ホール入口上部に設置していた。
親方が指示を出していたのだが、
部下が手をすべらせ大看板が落下。
親方は身体をそらしながら見上げていたため、
落ちてきた大看板の角が急所を直撃したのである。
その一部始終を目撃していた恥垢師弟は。

小林 「やつも当たり年やな」
北小岩 「金的を射止めましたね」

わけのわからないことをのたまっているのだが。

小林 「むっ、あれはなんや」
北小岩 「お餅つきの杵と
 臼のように見えますが」
小林 「あそこに町長がおるから、
 聞いてみるか」
北小岩 「お忙しいところ
 大変申し訳ございません。
 杵と臼のようなものがございますが、
 今年の成人式は
 お餅つきをするのでございますか」
町長 「いえ、違います。
 海外では、大人と認められるために
 つるを足首に巻きつけて
 バンジージャンプをしたり、
 その昔はライオンと闘ったりとの話も
 聞いています。
 もちろん、そこまでやることは
 できないのですが、我が町でも
 多少の通過儀礼は必要と思ったのですね」
小林 「どういうこっちゃ?」
町長 「そうですね。
 明日が本番ですから、
 予行練習しましょうか。
 あの臼の上部は
 各ちんちん型にくりぬかれており、
 S、M、L、LL、3L、
 そしてモンスターサイズが選べます。
 そこにイチモツを入れて、
 力自慢の男らが杵で容赦なくつくのです」
小林 「なるほどな。
 万が一のこともあり得る。
 恐怖を乗り越えた時、
 初めて大人の世界に
 仲間入りできるというこっちゃな」
町長 「ではまず先生から、
 儀式に参加してみませんか」
小林 「そうは言われても、
 モンスターサイズに
 入るかどうかやからな」

町長が力自慢の男らを呼ぶと、
先生のズボンとパンツを同時に脱がせた。

力自慢
の男の
うちの
一人
「町長無理です。
 Sサイズでもぶかぶかです」
町長 「では北小岩さんはいかがですか」
北小岩 「わたくしなどはまったく」

力自慢の男らが北小岩くんのズボンとパンツを
同時に脱がせると。

力自慢
の男の
うちの
一人
「町長、
 モンスターサイズまではいきませんが、
 3Lですね」

北小岩くんのちんちんが、
臼の3Lのところにおさめられた。
ちんちん型にくりぬいたのは、
元宮大工の方なので、
嵌めただけでとれなくなっている。
見事な仕事である。

町長 「ではついてください」
力自慢
の男の
うちの
一人
「うおりゃ〜」

ど〜〜〜ん!

北小岩 「うお〜〜〜!」

ど〜〜〜ん!

じょぼ〜〜〜

北小岩くんは、恐怖のあまり
失禁してしまったようである。
果たしてこんな通過儀礼が必要なのか、
はなはだ疑問ではある。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2014-01-12-SUN

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