とんとん かんかん
わっせわっせ
「そこの看板、もう少し上げてくれ」
「わかりました」
つるっ
「しまった!」
き〜ん!
「ううっ」
どういう事態なのか、冷静に分析してみよう。
成人の日に向けて業者が、
『成人式』と書かれた大看板を、
ホール入口上部に設置していた。
親方が指示を出していたのだが、
部下が手をすべらせ大看板が落下。
親方は身体をそらしながら見上げていたため、
落ちてきた大看板の角が急所を直撃したのである。
その一部始終を目撃していた恥垢師弟は。
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小林 |
「やつも当たり年やな」
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北小岩 |
「金的を射止めましたね」
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わけのわからないことをのたまっているのだが。
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小林 |
「むっ、あれはなんや」
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北小岩 |
「お餅つきの杵と
臼のように見えますが」
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小林 |
「あそこに町長がおるから、
聞いてみるか」
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北小岩 |
「お忙しいところ
大変申し訳ございません。
杵と臼のようなものがございますが、
今年の成人式は
お餅つきをするのでございますか」
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町長 |
「いえ、違います。
海外では、大人と認められるために
つるを足首に巻きつけて
バンジージャンプをしたり、
その昔はライオンと闘ったりとの話も
聞いています。
もちろん、そこまでやることは
できないのですが、我が町でも
多少の通過儀礼は必要と思ったのですね」
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小林 |
「どういうこっちゃ?」
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町長 |
「そうですね。
明日が本番ですから、
予行練習しましょうか。
あの臼の上部は
各ちんちん型にくりぬかれており、
S、M、L、LL、3L、
そしてモンスターサイズが選べます。
そこにイチモツを入れて、
力自慢の男らが杵で容赦なくつくのです」
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小林 |
「なるほどな。
万が一のこともあり得る。
恐怖を乗り越えた時、
初めて大人の世界に
仲間入りできるというこっちゃな」
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町長 |
「ではまず先生から、
儀式に参加してみませんか」
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小林 |
「そうは言われても、
モンスターサイズに
入るかどうかやからな」
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町長が力自慢の男らを呼ぶと、
先生のズボンとパンツを同時に脱がせた。
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力自慢
の男の
うちの
一人 |
「町長無理です。
Sサイズでもぶかぶかです」
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町長 |
「では北小岩さんはいかがですか」
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北小岩 |
「わたくしなどはまったく」
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力自慢の男らが北小岩くんのズボンとパンツを
同時に脱がせると。
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力自慢
の男の
うちの
一人 |
「町長、
モンスターサイズまではいきませんが、
3Lですね」
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北小岩くんのちんちんが、
臼の3Lのところにおさめられた。
ちんちん型にくりぬいたのは、
元宮大工の方なので、
嵌めただけでとれなくなっている。
見事な仕事である。
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町長 |
「ではついてください」
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力自慢
の男の
うちの
一人 |
「うおりゃ〜」
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ど〜〜〜ん!
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北小岩 |
「うお〜〜〜!」
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ど〜〜〜ん!
じょぼ〜〜〜
北小岩くんは、恐怖のあまり
失禁してしまったようである。
果たしてこんな通過儀礼が必要なのか、
はなはだ疑問ではある。 |