小林 |
「今日の俺の予定は、
どうなっとるんや」
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北小岩 |
「え〜と」
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弟子がゴミ箱の中から、
くしゃくしゃな紙を拾いあげた。
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小林 |
「俺の予定は、ゴミ箱の中かい」
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北小岩 |
「申し訳ございません。
先生の予定といえば、
どう考えても
イカ臭いものが多かったので、
腐臭がするといけませんので
ゴミ箱に入れておきました」
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小林 |
「相変わらずわけのわからん奴やな。
それでどうなんや」
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北小岩 |
「はい。
お昼に町の巣箱づくり名人さんに
お呼ばれしております。
今回はイカ臭くないようです」
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小林 |
「ほほう。
彼の家で豪勢なランチやな」
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なぜ、先生のようなエロ人が、
巣箱づくり名人という爽やかな方に
招かれているのだろう。
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小林 |
「名人のところで
インコを飼っとってな。
数日前に、元気をなくしていると
相談を受けたんや。
そやから俺の直感で、
インコが好きそうなエログラビアを
持ってったんやが、
くちばしで紙を破っとったら、
案の定元気になってな。
それでたいそう気をよくして、
今回どうしてもということで
呼ばれたわけや」
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北小岩 |
「そうでございましたか。
さすが先生でございます」
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ともかく阿呆師弟は、
昼飯にありつくために名人宅を訪れた。
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巣箱
づくり
名人 |
「よくいらっしゃいました。
お腹がすいているでしょう。
昼食はあそこに用意しています。
さっ、どうぞ」
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指差された方を見ると、
人の顔がやっと入るぐらいの
穴が開いている巣箱が二つ並んでいた。
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小林 |
「鳥になった気分やが、
まあええ」
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穴に顔を突っ込んでみると、
中には口の高さに台があり、
その上に千切ったコッペパンなどが置いてある。
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北小岩 |
「久しぶりの
きちんとした食事でございますね」
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二人が食べ終えた頃、
名人が双眼鏡を片手に戻ってきた。
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名人 |
「腹ごなしに余興をご覧ください」
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名人宅の裏は木が茂っており、
外部の者が自由に出入りできるように
なっている。
木には様々な巣箱がかけられ。
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名人 |
「巣箱といっても、
鳥用ばかりではありません。
この林には、
人間用の巣箱も用意してあります」
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北小岩 |
「わたくしたちが
ランチをいただきましたのも、
人間用の巣箱と
いえなくもありませんが、
そのようなものなのでございますか」
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名人 |
「若干異なりますね。
女用の巣箱と男用の巣箱があります。
男用は撲滅用、女用は観賞用です。
この双眼鏡でご覧ください」
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北小岩 |
「あっ、
パンツが見えるミニスカートを
はいた女性が、
バストの高さの二つの穴に、
おっぱいを入れました」
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名人 |
「女にも男にも、
帰巣本能があるんですね。
巣箱の裏の木が外されているので、
この角度からよく見えるでしょう」
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北小岩 |
「うへ。
でへへへ」
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小林 |
「こら、双眼鏡を貸さんかい!
むっ、
イチモツの高さに穴の開いた巣箱に、
巨根を出した野郎が
帰巣しようとしてるで」
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名人 |
「では退治しましょう!」
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ぴゅ〜
名人が指笛を吹くと鷹が飛んできた。
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名人 |
「ヘイ、ゴー!
チン、ポー!!」
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鷹は巨根野郎が帰巣した巣箱の裏面を破り、
イチモツを鋭い爪でとらえた。
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巨根野郎 |
「うぎょ〜〜〜!」
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野郎は断末魔の叫びをあげたのだが、
いったい何なのだろう、この名人って。 |