ひらひらひら〜
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小林 |
「桜の花びらが舞っとるな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「パッと咲いてパッと散る」
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北小岩 |
「まさに先生とわたくしの
生き方そのものでございますね」
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小林 |
「いさぎよいことよのう」
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盗人猛々しいとはこのことであろう。
自らを桜に例える師弟であったが、
彼らの類似は桜ではなく、
桜の根元に転がっている犬の糞であろう。
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小林 |
「こんなにのどかな日には、
どこか遠くへ
旅に出たいものよのう」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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「じゃあ出かけてみるかい」
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北小岩 |
「あなたさまは?」
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「俺かい。俺は旅先案内人だよ」
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北小岩 |
「漫画に出てきそうな方で
ございますね」
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小林 |
「胡散臭い上に、
イカ臭いわな」
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旅先
案内人 |
「イカ臭いとは人聞きが悪い。
ともかく、私があなた方を
雪山にご案内しましょ」
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北小岩 |
「わたくしたちは所持金が
各自二円、
二人合わせても
四円しかございませんが」
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旅先
案内人 |
「心配ありません。
私が所有している駕籠で
お連れします」
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案内人と師弟は、
ぽこちんを模した駕籠に揺られ雪山へ。
がたちん
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小林 |
「着いたようやな」
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駕籠から出てみると。
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北小岩 |
「うわ〜、
まぶしいでございます!」
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旅先
案内人 |
「雪山登山では、雪洞をつくり
その中で夜を
過ごすことがあります。
神秘的な体験といえるでしょう。
さっそく雪洞を
つくってみましょうか」
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小林 |
「俺は温泉宿がええな。
雪の中なんかまっぴらや!」
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旅先
案内人 |
「そうですか。
オプションとして、
美女を二人用意してますが、
帰ってもらいましょうか」
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100メートルほど離れたところで、
美女たちが手を振っている。
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小林 |
「一刻も早く掘らなあかんな」
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先生が尋常ではないスピードで、
雪洞をつくりあげた。
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旅先
案内人 |
「凄まじいですね。
では、あの娘たちは
セクシー衣装に着替えますので、
中で待っていてください」
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小林 |
「もちろんや」
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北小岩 |
「雪の中で美女と
一晩過ごすなんて、
これほどオマンチックなことは
ございませんね」
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旅先
案内人 |
「もういいか〜い」
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小林&
北小岩 |
「もういいよ〜」
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鼻の下を伸ばしながら応えたのだが。
ぷ〜っ!
雪洞の入り口から、
旅先案内人が生ケツを出して屁をこいた。
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北小岩 |
「臭いでございます〜〜〜!」
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小林 |
「これほどの腐った屁を
嗅いだのは、数十年ぶりや!」
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旅先
案内人 |
「じゃあ私は、
あの美女たちと気持ちのいいことを
するからね」
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案内人と美女たちは駕籠に乗り、
どこかへ消えてしまった。
師弟は強烈な屁の残り香が漂う穴で、
身を寄せ合って夜明けを待った。
果たして、二人に試練を与えた
旅先案内人の正体とは。
端的に言って、どうでもよいことであろう。 |