すやすやすや
だら〜〜〜
だら〜というのは何の音だろうか。
一瞬よだれに聞こえなくもないが、さにあらず。
それは、ふんどしからこんにちはをした
北小岩くんの玉袋が伸びる音であった。
もしも泥棒が入り、金玉を二個盗まれたとしても
気が付かないほど、だらしない昼寝である。
ぐにょ
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北小岩 |
「うわ〜、
痛いでございます〜〜〜!」
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寝返りを打とうとして、太ももの間で
金玉を挟んでしまったようだ。
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北小岩 |
「もしかすると、
どこかで異変が
おきているのかもしれません」
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小林 |
「なんやお前は。
不用意に玉金を出してるんやない」
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北小岩 |
「あっ、先生。
わたくしは密かに
金玉占いの腕を
磨いているのでございますが、
それによりますと、
それほど遠くはないどこかで
異変がおきているようです」
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小林 |
「それはあかんな。
この地域の特殊おまわりさんを
自負する俺たちとしては、
正しい情報を収集し、
行動せにゃあかん。
情報通のあの男に聞いてみるか」
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師弟は、女湯の窓が開くことを期待し、
それがいい角度で見える丘の上に住んでいる
情報通を訪れた。
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小林 |
「どや。
何か変わったことはあるか?」
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情報通 |
「隣の隣の隣の隣町に、
飼いならされた男が増えているな」
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小林 |
「俺のような益荒男からすれば、
それは忌むべきことやな」
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情報通 |
「先生の力で、
何とかならんもんかね」
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小林 |
「そこまで乞われれば、
動かんわけにはいかんわな」
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師弟は、歩いていたハサミムシをつかまえ、
各自虫にちんちんを挟ませ、
痛さを動力として隣の隣の隣の隣町に駆け付けた。
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北小岩 |
「原っぱの一角に塀が立ち、
『独立国あまぞねす』と
書かれております」
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小林 |
「間違いない。
そこに飼いならされた男たちが
おるんや」
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北小岩 |
「いきなり飛び込むのは
危険ですね。
陰に隠れて様子をみましょう」
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小林 |
「おっ、
ちんちんに
鎖をつけられた男がおる!」
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あまぞ
ねすA |
「お手!」
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北小岩 |
「ちんちんがクレーンのように動き、
右手に乗りました」
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あまぞ
ねすA |
「おかわり!」
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小林 |
「次は左手に乗った!」
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あまぞ
ねすA |
「おあずけ」
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北小岩 |
「今までの元気はどこへやら。
完全にうなだれました。
おや?
ちんちんに鎖をつけられた、
別の男が出てまいりました」
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あまぞ
ねすB |
「とっておいで」
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びゅん
フリスビーを投げると男は全力疾走し、
ちんちんをまるで手のように曲げて
キャッチした。 |
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今、世の中では
飼いならされた男が増えているという。
この恐るべき状況は何を示唆しているのか。
冷静に考えると、
何も示唆していないかもしれない。 |