小林 |
「ぶ〜らぶらぶら」
|
北小岩 |
「ぶ〜らぶらぶら」
|
小林 |
「ぶ〜らぶらぶらぶらら」
|
北小岩 |
「ぶ〜らぶらぶらぶらら。
んっ?
うげげっぎょえ〜〜〜!」
|
小林 |
「どした!
だいじょぶか!!」
|
北小岩 |
「玉がはずれました!」
|
小林 |
「動くなよ」
|
グキッ! キーン!!
先生が金蹴りを入れると。
|
北小岩 |
「もとに戻りました!」
|
いったいどういうことであろうか。
先生と弟子は、昼12時の時報とともに、
玉袋を引っ張りぶらぶらさせる
『ぶらぶら体操』を日課にしている。
しかし、弟子の北小岩くんが
袋を引っ張りすぎて、
玉がはずれた状態になってしまったのである。
|
北小岩 |
「ありがとうございました!」
|
小林 |
「うむ。
ところで今日は
エロ本の古本市をやっとるな。
ちょいと寄ってみるか」
|
阿呆面下げて歩く二人であったが、
会場に到着した刹那、先生の顔色が変わった。
|
小林 |
「むっ!
このエロ本こそ、
俺が30年間探し続けていた名作
『蜜と壺』や!」
|
北小岩 |
「そうでございますか!」
|
小林 |
「この機会を逃したら、
もう一生出会うことは
ないかもしれん。
お前、いくら持っとる?」
|
北小岩 |
「2円でございます」
|
小林 |
「俺の全財産と合わせても、
4円にしかならんな。
う〜〜〜ん、
やっぱり奥の手しかない。
ついてこい」
|
向かった先は、質屋であった。
|
小林 |
「これでどや!」
|
質屋の台の上に金玉を出した。
|
質屋の
親父 |
「そんなこと言われてもなあ」
|
先生はぶらぶら体操を長年続けてきたため、
たまにではあるが
玉を取り外せるようになったのだ。
|
質屋の
親父 |
「こんな小せえ金玉、
見たことねえよ」
|
小林 |
「男一匹、
カラダを張っとるんや!」
|
質屋の
親父 |
「仕方ねえなあ」
|
無事、金玉を質に入れ、
念願のエロ本『蜜と壺』を手に入れた。
だが、期限内に金策できず。
|
小林 |
「しゃあない。
男同士、話せばわかるやろ。
期限を半年先まで
のばしてもらおか。
親父、すまん。
半年後には何とか」
|
質屋の
親父 |
「ああ、金玉のことだな。
流れたよ」
|
小林 |
「流れた?
誰が持ってったんや」
|
質屋の
親父 |
「隣町にブタを飼っている人がいて、
ちょうど餌にいいって
持ってったよ」
|
先生は青ざめた顔で隣町へ激走した。
先生の金玉は
ブタの餌になってしまったのか。
そのほうが、いいかもしれないですね。 |