KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百九・・・梅雨の戦い

しとしとしと

北小岩 「なめくじさんでございますね」

ねばねば〜

北小岩 「先生とわたくしは、
 なめくじさんに例えられることも
 ございますが、いえいえどうして。
 なかなかカワイイでは
 ございませんか」

ねばり〜ん

北小岩 「居ながらにして、
 宇宙生物と対面している気分で
 ございますね」
小林 「お前、
 近頃ねばねばしとらんか」
北小岩 「あっ、先生。
 わたくしがねばねばしている
 というよりも、
 なめくじさんが
 ねばねばしているので
 ございます」
小林 「そうか。
 俺はお前の下半身が
 梅雨の湿気で腐って、
 ついにねばねばになったのかと
 思ったが、
 勘違いだったようやな」

毎度のことながら、
この師弟の会話から何かを得ようと
思っても、無駄なようである。

北小岩 「確かに、
 下半身に異変が起きても
 不思議ではないほど、
 湿気がございますね。
 このような季節には、
 パーッと景気がよいものを
 見たいものです。
 先生は何かご存知ないですか」
小林 「そやな。
 ここから69キロ離れた村で、
 この時期になると
 凄まじい戦いが
 繰り広げられると
 聞いたことがある」
北小岩 「そのような戦いを目にすれば、
 湿気などは一気に
 吹き飛ぶことでございましょう。
 わたくしも、
 ぜひうかがいたいと存じます」

二人はお互いの睾丸に
砲丸ほどの大きさの石をぶつけあい、
その痛みをエネルギーに
69キロ先の村に向かった。

小林 「ふう。
 やっと着いたな」
北小岩 「そうでございますね。
 一体、どんな戦いなのでしょうか」

師弟が脚の筋肉をほぐしていると。

「どうだ、臭えだろ!」

「何言ってんだ、俺の方が臭えぞ!!」

北小岩 「何をしているので
 ございましょうか」
小林 「股間の臭いを嗅ぎあっているようやな」
長老 「この村では梅雨期間、
 己の股間を何日間も蒸れさせて、
 誰が一番
 とてつもない臭いであるかを
 競うんじゃよ」

前にいた長い白髭のおじいさんが教えてくれた。

北小岩 「しかし、
 お互いに嗅ぎあっているだけでは、
 どちらも降参しないでしょうから
 勝負がつきませんね」
長老 「イカのお出ましだな」
北小岩 「と申しますと」
長老 「脚を閉じて股間に海水を溜める。
 そこに小さなイカを泳がせる。
 イカは、海水があまりに
 イカ臭くなるために暴れだす。
 どちらが先に暴れたかで、
 勝負が決まるんじゃな」


さっそく股間に海水が入れられ、
小さなイカが放たれた。

小林 「むっ!
 右のヤツのイカが怒りだしたな」
北小岩 「あっ!
 イチモツに墨をかけました!」

勝負はあったようだ。
梅雨ということで、お互いのどぐされ局部に
つゆをかけあうこともあるらしい。
アホらしいことです。

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2014-07-06-SUN

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