しとしとしと
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北小岩 |
「なめくじさんでございますね」
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ねばねば〜
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北小岩 |
「先生とわたくしは、
なめくじさんに例えられることも
ございますが、いえいえどうして。
なかなかカワイイでは
ございませんか」
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ねばり〜ん
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北小岩 |
「居ながらにして、
宇宙生物と対面している気分で
ございますね」
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小林 |
「お前、
近頃ねばねばしとらんか」
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北小岩 |
「あっ、先生。
わたくしがねばねばしている
というよりも、
なめくじさんが
ねばねばしているので
ございます」
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小林 |
「そうか。
俺はお前の下半身が
梅雨の湿気で腐って、
ついにねばねばになったのかと
思ったが、
勘違いだったようやな」
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毎度のことながら、
この師弟の会話から何かを得ようと
思っても、無駄なようである。
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北小岩 |
「確かに、
下半身に異変が起きても
不思議ではないほど、
湿気がございますね。
このような季節には、
パーッと景気がよいものを
見たいものです。
先生は何かご存知ないですか」
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小林 |
「そやな。
ここから69キロ離れた村で、
この時期になると
凄まじい戦いが
繰り広げられると
聞いたことがある」
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北小岩 |
「そのような戦いを目にすれば、
湿気などは一気に
吹き飛ぶことでございましょう。
わたくしも、
ぜひうかがいたいと存じます」
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二人はお互いの睾丸に
砲丸ほどの大きさの石をぶつけあい、
その痛みをエネルギーに
69キロ先の村に向かった。
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小林 |
「ふう。
やっと着いたな」
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北小岩 |
「そうでございますね。
一体、どんな戦いなのでしょうか」
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師弟が脚の筋肉をほぐしていると。
「どうだ、臭えだろ!」
「何言ってんだ、俺の方が臭えぞ!!」
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北小岩 |
「何をしているので
ございましょうか」
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小林 |
「股間の臭いを嗅ぎあっているようやな」
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長老 |
「この村では梅雨期間、
己の股間を何日間も蒸れさせて、
誰が一番
とてつもない臭いであるかを
競うんじゃよ」
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前にいた長い白髭のおじいさんが教えてくれた。
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北小岩 |
「しかし、
お互いに嗅ぎあっているだけでは、
どちらも降参しないでしょうから
勝負がつきませんね」
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長老 |
「イカのお出ましだな」
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北小岩 |
「と申しますと」
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長老 |
「脚を閉じて股間に海水を溜める。
そこに小さなイカを泳がせる。
イカは、海水があまりに
イカ臭くなるために暴れだす。
どちらが先に暴れたかで、
勝負が決まるんじゃな」
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さっそく股間に海水が入れられ、
小さなイカが放たれた。
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小林 |
「むっ!
右のヤツのイカが怒りだしたな」
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北小岩 |
「あっ!
イチモツに墨をかけました!」
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勝負はあったようだ。
梅雨ということで、お互いのどぐされ局部に
つゆをかけあうこともあるらしい。
アホらしいことです。 |