もわ〜
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小林 |
「夏の熱が
襲い掛かってくるようやな」
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北小岩 |
「くらくらいたしますね」
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「たけや〜、さおだけ〜!」
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小林 |
「猛暑の最中に元気やな。
昔はよく来ていたが、珍しいな」
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北小岩 |
「そうでございますね。
んっ?
竿竹屋さんといえば、
小さな車の荷台に何本も
竿をのせていたと思うのですが、
竿がまったくのってませんね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「どことなく怪しい気がいたします」
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小林 |
「ついていってみるか」
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エロ本の品評会がない日には、
朝から晩まで何もすることがない二人は、
軽自動車の後を追った。
車一台がやっと通れる路地を曲がった時、
アパートの一階からなさけない声が放たれた。
「竿竹屋さん! 頼む!!」
竿竹屋は七つ道具でも入っていそうな
小さな箱を持ち、アパートに入っていった。
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小林 |
「どういうこっちゃ?」
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先生と弟子は薄っぺらいドアに耳をつける。
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男A |
「コトの途中で
元気がなくなってしまって」
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竿竹屋 |
「それは災難でしたね」
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男A |
「彼女は怒って
シャワーを浴びてるんだけど、
出てきた時には何とか
復活をはたしていたくて」
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竿竹屋 |
「わかりました」
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細工を始めたようだ。透視してみよう。
男の縮んだポコチンを極限まで伸ばし、
竿に竹を取り付けたのだ。
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竿竹屋 |
「どこまでもつかわかりませんが、
体裁はととのえました」
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男A |
「ありがとうございます」
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男Aは安くないお代を払ったようだ。
「たけや〜、さおだけ〜!」
再び車を走らせると、
間髪を入れずに声がかかった。
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男B |
「頼むよ。
イカ臭いって言われて、
困ってるんだよ」
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竿竹屋は、アパートの別の部屋に入っていく。
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竿竹屋 |
「今、竹を焼きますからね」
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どうやら、燃やして炭になったものを
ちんちんにつけて、臭いを消すらしい。
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男B |
「あちい!」
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竿竹屋 |
「まだ冷めてませんよ。
焦りすぎると
ちんちんが焼きタラコに
なりますよ」
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小林 |
「なあ北小岩、
竿竹屋は儲かるんかな」
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北小岩 |
「わたくしたちよりは、
裕福そうでございますね」
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なんとか竿業界に潜り込めないか、
画策する二人であった。 |