小林 |
「すっかり秋やな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「秋の旬、
何が好きなんや?」
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北小岩 |
「サンマでございますね」
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小林 |
「そうか。
むっ、あそこにおるやつ、
いちもつがサンマになっとる」
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北小岩 |
「丸出しでございます。
確かにサンマでございます。
海水につけているようですね」
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じゃ〜〜〜
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北小岩 |
「海水をこぼしました。
ぴちぴちし始めました」
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通り
すがりの
艶っぽい
お姉さま |
「あらっ、あのサンマ、
とっても元気で長いわね」
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しかし、時間がたつにつれ。
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通り
すがりの
艶っぽい
お姉さま |
「ぐったりしてきたわね」
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サンマの
持ち主 |
「だっ、誰か海水を!」
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小林 |
「突然海水をと言われてもな。
さっき自分で捨てたやろ」
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サンマの
持ち主 |
「早くしないと死んでしまう!」
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ぐた〜 ぽこっ
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小林 |
「他界してしまったやないか!」
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北小岩 |
「ということは」
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小林 |
「あいつのポコチンが
死んでしまったということや」
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北小岩 |
「なんと!」
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サンマの
持ち主 |
「うお〜〜〜〜〜!」
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お慰めの言葉もない。
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小林 |
「むっ、
あそこの草むらで
乳繰りあってるやつらがいるで」
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北小岩 |
「確かに」
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ちくっ!
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乳繰り
あって
いる女 |
「痛いわね!」
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北小岩 |
「男の方が
強引なのでございましょうか」
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小林 |
「いや、違うな。
目ん玉おっぴろげて
本気で見てみい」
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北小岩 |
「金玉が、
いがいがになっております」
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小林 |
「そうや!
いが栗になっとるんや。
旬というわけや」
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北小岩 |
「それはよいことなのでしょうか」
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乳繰り
合って
いる女 |
「怪我したじゃないの!
こんなもん!!」
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ぼくっ!
コロコロ
思いっきり蹴り上げられ、
いがが落ちてしまった。
お慰めの言葉もない。
私たちの舌を楽しませてくれる
海の幸、山の幸。
しかし、肉体の一部が旬になった場合、
悲劇につながることもあるので、
くれぐれもご注意ください。 |