北小岩 |
「先生、わたくしたちは
この情報化社会にあって、
あまりに情報を
持っていないのでは
ございませんか」
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小林 |
「テレビは壊れとるし、
パソコンはもともとない。
とはいえ、俺たちの情報量は
かなりのものだろな。
ついこの間も」
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北小岩 |
「町の広場にどこかから飛んできた
パンティーが落ちていた
一件でございますか」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「確かに一番最初に
情報をつかんだのは先生でした。
ブツはエゲツない逸品で
ありましたし、
交番に届けるふりをしてわたくし、
保存してございます」
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小林 |
「やはり貴重な情報やったんやな」
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北小岩 |
「そうとも言えなくもない気も
いたします。
しかし、もう少し社会的な情報を
持っていた方が
よいのではないでしょうか」
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小林 |
「お前、随分大人びたことを
言うようになったな。
それで、どのように情報を
得ようと思っとるんか」
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北小岩 |
「三軒隣のお家ですが、
窓のそばにテレビを置いてます」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「窓の下に仰向けになって寝て、
テレビニュースを聞くというのは
いかがでしょうか」
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小林 |
「どことなく貧乏臭いが、
何事もやってみないと
わからんからな」
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二人はコソ泥のように三軒隣の家に近づき、
窓の下に寝ころんだ。
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小林 |
「確かにニュースが
よく聞こえるな」
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北小岩 |
「そうでございますね。
天気予報でございましょうか」
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お天気
お姉さん |
『この冬、
霜柱がいやらしいでしょう」
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北小岩 |
「なんと!」
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小林 |
「どういうこっちゃ」
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北小岩 |
「ともかく公園に
行ってみましょう」
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いつもと変わりないように見えるのであるが。
にょき〜ん!
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スカート
をはいた
女性A |
「きゃ〜!」
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小林 |
「見たか!」
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北小岩 |
「はい!
巨大な霜柱が突然伸びて、
スカートをめくりあげました」
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にょき〜ん!
なでなで〜!
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スカート
をはいた
女性B |
「きゃ〜!
どこ触ってんのよ!」
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北小岩 |
「ご覧になりましたか」
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小林 |
「霜柱のやつ、
女の秘所を的確にとらえたな」
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「きゃ〜!」
「きゃ〜!」
いろいろな場所から、
女性の叫び声が響き渡った。
今冬の霜柱はいやらしい。
女性の方々は、くれぐれも注意されたし。 |