ぽわわ〜ん
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小林 |
「まだ冬とはいえ、
ぬるい日も増えてきたな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「散歩日和やな」
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北小岩 |
「このところ、
寒すぎて控えておりましたからね」
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小林 |
「携帯は持ったか」
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北小岩 |
「はい、ここにございます」
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小林 |
「ではいくか」
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二人は公園まで、のんびり歩いていく。
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小林 |
「ついに俺たちも
携帯を所持したわけやな。
試してみるか」
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北小岩 |
「のばしてみます」
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びゅわわ〜〜〜ん
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北小岩 |
「もしもし、
巨根さんでございますか」
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小林 |
「いいえ、超巨根です」
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北小岩 |
「かなりよい出来栄えですね」
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小林 |
「やはり携帯はええもんやな」
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ちょきん
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小林 |
「クソガキ、
俺たちの携帯の命綱を切ったな!」
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クソガキ |
「おっさんたち、
糸電話してるだけじゃん。
古くせえよ」
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小林 |
「なんやと!」
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だだだっ
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小林 |
「逃げよった」
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現代の時の流れとは隔絶した先生たちが、
携帯とは訝しいと感じたが、
単に拾った紙コップ二つを
落ちていた糸でつなげただけのものだった。
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北小岩 |
「とにかく結んでみます」
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どん ぐしゃ
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北小岩 |
「あっ!
携帯を見ながら歩いている人に
ぶつかられ、
踏みつけられてしまいました」
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どん
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小林 |
「あの野郎、
お年寄りにもぶつかったのに、
あやまらずに行きやがった!」
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にょきにょき
キーン
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携帯を
見ながら
ぶつか
った奴 |
「いてえ!」
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地中に埋まっていたポールが突然顔をだし、
そいつのポールを直撃した。
「たいした用もないのに迷惑を考えず、
携帯だけを見ているやつめ!
近頃、そんな輩が多すぎるから、
にょきにょきポールを開発して、
ポールにお仕置きしてやったんだ」
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北小岩 |
「あなた様は?」
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「ロング・ポール・ジュニアだ!」
いったいこの外国人は、何者なのだろう。
ともかく、携帯を見ながら
他の人に注意を払わない行為は、
大変迷惑であるとともに、
本人にとっても危険なことだ。
しばらく、
ロング・ポール・ジュニアの活躍に
注目したい。 |